研究課題/領域番号 |
23760491
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研究機関 | 熊本大学 |
研究代表者 |
圓山 琢也 熊本大学, 政策創造研究教育センター, 准教授 (20361529)
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キーワード | 都市交通計画 / 交通需要予測 |
研究概要 |
貨物輸送の誘発交通に焦点を当てた需要変動型交通需要予測モデルの実用化に向けて、以下の基礎的な研究をそれぞれ進めた。 1.物資輸送の変動を考慮した交通需要予測モデルとして、VRP (貨物車配車配送計画) 問題と交通配分モデルを組み合わせたモデルを構築した。また、宇都宮都市圏の都心部に混雑課金を導入する交通政策を例に、このモデルによって計算される貨物配送行動の変化例を示した。 2.東日本大震災の被災地において燃料不足が深刻となった問題を踏まえ、マクロな物資流動モデルの例として、大規模災害時の燃料輸送計画モデルを構築・分析した。具体的には長江剛志(東北大学准教授)らにより構築された時空間ネットワークを考慮した燃料輸送計画モデルを九州ネットワークで適用するためのデータの整理を行い、いくつかのシナリオ分析を行い、国際会議で発表した。 3.計量計画研究所井上紳一研究員との共同研究で、利用者均衡配分モデルを高速に解くために最近発表されている高度なアルゴリズムの比較分析、収束条件の設定方法についての研究を進め、国際会議論文として発表した。さらに、この高度なアルゴリズムを、需要変動型利用者均衡モデルへ拡張するための検討も進めた。 4.熊本都市圏総合交通計画協議会において幹事兼部会長として活動を行うなかで、最近の実務における都市圏レベルの交通計画・調査・分析・手法のニーズの把握を行い、別途の研究費で開発したスマートフォンを用いた交通調査アプリを、次年度以降、物流調査へ応用する際の課題を整理した。 以上の本年度の研究実績を踏まえて、熊本都市圏パーソントリップ調査と連携しながら、実務に利用できる需要変動型モデルの構築を目指したい。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
物資流動に着目した新たなモデルを構築し、熊本都市圏における実務の動向を把握しながら、最新の調査・予測技術を実行する準備を進めることができたため。
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今後の研究の推進方策 |
平成24年度秋に本調査が実施された熊本都市圏パーソントリップ調査と緊密に連携しながら、最新のデータを利用しながら、実務に利用できる最先端の需要変動型交通需要予測モデルの構築・検証を推進する。特に物流のモデルについて、旅客輸送のモデル構築と同時に実用的なモデル構築を目指す。
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次年度の研究費の使用計画 |
別途採択された外部研究資金で充当できる物品費、旅費があったため、研究費の繰越を行った。繰越分で、最新のデータ・ソフトの購入などを進め、効果的な研究費の執行に努めたい。
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