研究課題
貨物輸送の誘発交通に焦点を当てた需要変動型交通需要予測モデルの実用化に関して、以下の研究を進めた。1. トラックドライバーのスマートフォンを利用した物流プローブ調査の実施:別途の研究費で開発したスマートフォンを用いた交通調査アプリを用いて、ドライバーの自身のスマートフォンを利用した貨物車プローブ調査を実施した。熊本都市圏の物流事業社7社に依頼し、各社3名のドライバーを対象に5日間の調査を実施した。車両走行軌跡のプローブデータの他、調査依頼時の留意点、調査参加者の意識などについて知見を得た。この調査は、熊本都市圏PT調査の補完調査として位置づけられており、研究成果が実用化された一例といえる。2. 拡大係数付与手法を用いた需要変動型トリップ・チェイン均衡モデルの拡張:研究代表者が開発済みのトリップ・チェイン均衡モデルは、短期予測を前提としているが、ある仮定を設けることで長期予測にも適用可能となることを示した。また、2時点のPTデータからこの手法の妥当性を検証する方法論も示した。3. 需要変動型モデルを利用した次善混雑料金設定問題の拡張:研究代表者が開発済みのエリア・コードン課金などの次善混雑課金の数理的設定問題について、課金領域に制約を設けた場合の拡張を行った。課金領域が凸領域であるという制約を設けると、無制約の場合よりも最適な社会的余剰の上昇率は低下するが、現実的な領域が生成されることを示した。需要変動型予測モデルを利用した、実用的かつ効率的な交通計画の策定手法の一例を提案したといえる。
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すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (4件) 備考 (1件)
土木学会論文集D3(土木計画学)
巻: Vol. 70, No. 1 ページ: 88-101
10.2208/jscejipm.70.88
熊本大学政策研究
巻: 5 ページ: 41-52
http://www.cps.kumamoto-u.ac.jp/center/maru/