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2011 年度 実施状況報告書

浄水処理により生成するニトロソアミン類のサブpptレベルでの動態解明

研究課題

研究課題/領域番号 23760506
研究機関鹿児島大学

研究代表者

児玉谷 仁  鹿児島大学, 理工学研究科, 助教 (30434468)

研究期間 (年度) 2011-04-28 – 2014-03-31
キーワードニトロソジメチルアミン / 水道水 / HPLC / 化学発光 / ルミノール / 紫外線照射
研究概要

近年,強い発がん性を持つとされるニトロソアミン類が,浄水処理過程において生成することが報告され,新たな問題となっている.日本においても平成21年よりN-ニトロソジメチルアミンが水道水質基準の要検討項目として取り上げられ,その存在状況や生成機構についての知見の集積が求められている.すでに日本の水道水やその原水から数pptのNDMAの存在が報告されているが,それがどのような要因で生成しているのかは明らかになっていない. 現在のニトロソアミン分析法では大量の試料水を必要とするため,測定値の再現性を確認するだけでも数Lもの試料水を必要とし,その採取や前処理も容易ではなく,詳細な追跡調査を困難なものにしている.さらにニトロソアミンの生成要因と報告されている物質についても実存濃度レベルでモデル実験を行うことが難しいため,本来,存在しえない濃度でモデル実験が行われているが,その反応が実際の状況下における主生成反応機構であるかは疑問が残る. そこでニトロソアミン類をsub-pptレベルで迅速に測定できる分析システムを確立し,日本の様々な水環境における存在状況を確認することを目的として研究を進めた.本年度は申請者が開発したオンライン紫外線照射過程を有するHPLC-ルミノール化学発光検出システムによるpptレベルのニトロソアミン分析法のさらなる高感度化を目指し研究を推進した.新たに購入した化学発光検出器と分離カラムの再検討により数倍の感度上昇が確認された.さらに固相抽出濃縮との組み合わせを検討し,いくつかの解決すべき問題があるが,開発した分析法との組み合わせが可能であることを確認した.

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

研究開始が遅れ,予定が全体的に遅れたため,試料採取のための水道局への依頼ができなかった.結果,水道水実試料の継続的測定に進めなかったため.

今後の研究の推進方策

蛇口水ではあるが,神戸市,茨木市,鹿児島市の水道水についてニトロソジメチルアミンの測定を行ったところ,3市とも数pptから十数pptの存在が確認された.これが原水にもともと含まれるのか,浄水過程で生成しているのか確認するため,現在,水道局に試料採取を依頼していることろである. 今後,水道水の浄水過程ごとに採取した試料を年間を通じて測定することで,ニトロソジメチルアミンがどのように生成しているのか調査を進めデータを蓄積する.

次年度の研究費の使用計画

継続して測定を進めていくための装置の維持費が大半である.また金沢で行われる日本分析化学会において成果の一部を公表するための旅費も計上する予定である.

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2012

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] 水道水中N-ニトロソジメチルアミンの高感度分析法の開発2012

    • 著者名/発表者名
      児玉谷仁,伊藤慎也,齊藤恵逸,冨安卓滋
    • 学会等名
      第46回日本水環境学会年会
    • 発表場所
      東洋大学(東京)
    • 年月日
      2012年3月14-16日

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公開日: 2013-07-10  

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