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2013 年度 実績報告書

火災を受けた鋼架構の機能維持および再使用性評価技術の開発

研究課題

研究課題/領域番号 23760541
研究機関独立行政法人建築研究所

研究代表者

鈴木 淳一  独立行政法人建築研究所, その他部局等, その他 (10453846)

キーワード火災 / 火害 / 再使用性 / 鋼構造 / 非構造部材 / 熱応力 / 耐火設計 / 加熱冷却
研究概要

建築物の耐火設計では、火災時における部分架構・部材の崩壊温度を終局耐力に基づき推定している。一般的な設計では、火災時の構造体の崩壊に対する安全性については検討するが、火災後の再使用性までは検討しておらず、火災後の損傷等を設計段階で想定していない。本研究では、火災後における構造体の機能維持・再使用性と損傷の関係に着目し、火災時の加熱冷却過程における鋼架構の力学的挙動を分析し、損傷の程度を定量化することを目的とした。以下の通り、火災時の架構の加熱冷却過程における残留変形・残留応力、火災後の地震時における架構の構造特性、残留応力の解放メカニズム、火災時に構造体に生じる変形と構造部材・非構造部材の接合部破断などによる損傷や脱落等の関係が明らかとなり、耐火設計時における火災後の損傷状況を把握できるようになった。
(1)火災時・冷却時の架構の応力:外側スパン火災、内側スパン火災、全スパン火災時等の梁の最大応力と冷却後の残留応力の関係から、外側スパンよりも内側スパンの梁の方が残留応力が大きく、加熱範囲が大きく、最高履歴温度が高いほど、残留応力も大きくなる。(2)火災後地震時の架構の層剛性:水平力に対する火災後の架構の層剛性は、加熱温度の上昇および加熱範囲の拡大に応じて低下する。残留応力が大きい部材が多いほど水平加力時に塑性化が生じ易いため、水平剛性が低下しやすいが耐力は大きく低下しない。
(3)火災後の残留応力解放方法:架構の残留応力の解放を目的として、梁の中央部分を局部的に再加熱することにより、再加熱部分が局所的に塑性することにより応力が解放され、火災後に比べて1/3程度に残留応力を低減させることができる。
(4)火災時の構造体の変形による部材の損傷状況:火災時に梁が傾くような変形が生じると構造部材・非構造部材へ損傷、破断を誘発しやすく、一部の非構造部材は落下高さの1/3まで飛散する。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2014 2013

すべて 雑誌論文 (1件) 学会発表 (3件)

  • [雑誌論文] 鋼構造建築物の火災時における非構造材飛散に関する研究2013

    • 著者名/発表者名
      除村直樹,鈴木淳一,磯部大吾郎
    • 雑誌名

      第18回計算工学講演会論文集

      巻: 第18巻 ページ: ー

  • [学会発表] Damage Estimation of Steel Frame Buildings under Fire Using Collapse Analysis2014

    • 著者名/発表者名
      Jun-ichi Suzuki, Naoki Yokemura, Daigoro Isobe
    • 学会等名
      Computational Engineering and Science for Safety and Environmental Problems
    • 発表場所
      仙台
    • 年月日
      20140413-20140416
  • [学会発表] 火災時における非耐力壁の落下飛散範囲に関する数値解析的検討2013

    • 著者名/発表者名
      除村直樹, 鈴木淳一, 磯部大吾郎
    • 学会等名
      日本建築学会
    • 発表場所
      札幌
    • 年月日
      20130830-20130901
  • [学会発表] 火災を受けた鋼架構の機能維持・再使用性に関する研究 複数スパン火災時の挙動と残留応力解放メカニズム2013

    • 著者名/発表者名
      鈴木淳一
    • 学会等名
      日本火災学会
    • 発表場所
      熊本
    • 年月日
      20130608-20130609

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公開日: 2015-05-28  

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