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2011 年度 実施状況報告書

環境騒音に含まれる純音性騒音の評価方法に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 23760544
研究機関東京大学

研究代表者

横山 栄  東京大学, 生産技術研究所, 助教 (80512011)

研究期間 (年度) 2011-04-28 – 2013-03-31
キーワード建築環境・設備 / 環境政策 / 解析・評価 / 心理評価 / 実験室実験
研究概要

純音性騒音の実態を把握するため、卓越した狭帯域スペクトル成分を含む純音性騒音として、風力発電設備、ジェット機騒音、自動車タイヤ騒音に含まれる気柱共鳴音、電気自動車騒音に含まれるインバータ音等を対象としてフィールド調査を行い、得られた騒音データを分析して、モデル化を試みた。その際、背景騒音のスペクトル特性、純音成分のスペクトル分布および帯域幅、背景騒音(noise floor)に対する純音成分の卓越度(レベル差)に着目して解析を行った。つぎに、純音性騒音のモデル音を試験音として音響実験室内に3次元シミュレーション音場を構築し、主観評価実験を試みた。純音成分の周波数および背景騒音に対するレベル差をパラメータとして、純音性の知覚の程度(tonal audibility)、背景騒音のみの条件に対するラウドネスの増加の程度を調べた。この結果から純音性騒音に対する聴覚的な反応と各種聴感物理量との対応関係を検討した。なお、環境騒音に含まれる純音性騒音の心理的影響を調べるのに先立ち、まだ明らかにされていない低周波領域における純音閾値を調べるために、新たに実験設備を構築し、10Hz~200Hzを対象として、年代別の被験者群を集めて聴感実験を実施した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

当初予定にはなかった純音閾値実験を実施したため、純音性騒音をモデル化した基本的な聴感実験がやや遅れているが、全体の計画としてはおおむね順調に進展している。

今後の研究の推進方策

引き続き、評価実験を行う上で必要な純音性騒音を含む環境騒音データの収集を適宜行い、純音性騒音のモデル化についても見直しを行い、検証していく。居室内に透過した騒音が及ぼす心理的影響を評価するために、室内外の伝達関数を測定し、時間特性も考慮した遮音特性フィルタを作成する。フィールド調査において6チャンネル収音システムによって収録した実際の純音性成分を含む騒音を試験音として用い、無響室内に設置した6チャンネル再生システムを用いて、現実の騒音暴露の状況に近い条件で主観評価実験を行う。現有のシステムに実時間たたみ込み演算処理が可能な装置を付加することで、被験者の反応に適応させた条件をリアルタイムで処理して提示することが可能で、詳細な検討が可能となる。これらの実験による結果から、純音性騒音の評価方法として提案されているISO/FDIS 1996-2 Annex C (Objective method for assessing the audibility of tomes in noise - Reference method)および同Annex D (Simplified method)に示されている方法などの検証を行い、必要な場合には新たな評価方法(簡易化)を検討する。また、騒音の物理的特性の他、騒音源の種類の違いによって心理的影響に差が生じる可能性も考えられ、この問題については受聴者の騒音源に対する価値観、親近感などについて社会学的な立場からの検討も必要であり、ひとまず音響学的立場からの基礎的な知見を整理しておきたい。

次年度の研究費の使用計画

次年度、引き続きフィールド調査を行うために旅費および人件費・謝金を計上し、また国際学会での発表を2回(イギリス、ニューヨーク)予定しており、当初計画よりも増額して旅費を計上する計画である。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2012

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] 低周波性騒音に関する聴感実験 -その1. 純音閾値2012

    • 著者名/発表者名
      坂本慎一、横山 栄、辻村壮平、橘 秀樹
    • 学会等名
      日本音響学会春季研究発表会
    • 発表場所
      神奈川大学
    • 年月日
      2012 – 313

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公開日: 2013-07-10  

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