研究課題/領域番号 |
23760557
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研究機関 | 金沢工業大学 |
研究代表者 |
円井 基史 金沢工業大学, 環境・建築学部, 講師 (80508341)
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研究期間 (年度) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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キーワード | コケ植物 / 環境調整 / 建築外部空間 / 人工被覆面 / 熱・水収支 / 蒸発 / 表面温度 / 自生 |
研究概要 |
■フィールド調査と暴露試験を通した人工被覆面上のコケの自生条件抽出:金沢工業大学構内(石川県野々市市)において、人工面に自生するコケを対象に、フィールド調査によりコケの種別と自生形態を定量的に把握した。水平面ではアオギヌゴケ(面積率35%)、ホソウリゴケ(同34%)、垂直面ではアオギヌゴケ(同51%)、ハマキゴケ(同22%)が多く確認された。自生場所としては「側溝の側面」(47%)、「花壇・土留め周辺」、「ブロック・タイルの目地」が多かった。またコケ種苗を吹き付けた保水性モルタルによる暴露試験の2年目の経過として、全試験体でアオギヌゴケ、ハマキゴケ、ギンゴケが確認された。コケの自生・繁茂について、モルタルの単位容積質量、凹凸、浸水の有無、白華、気象条件(日射量、降雨量等)を検討した結果、保水性が共通する大きな条件であることが確認された。■屋外実験によるコケの熱・水収支特性と生育変遷の把握:都市で生育するコケとして、(1)コンクリート上で自生するコケ(日陰)、(2)庭園材(スギゴケ、日陰)、(3)屋上緑化材(スナゴケ、日向)の試験体を対象に、屋外実験による熱・水収支計測と生育観察を継続して行った。(1)・(3)試験体ではコケの成長が確認され、1年間経過した時点で、最大含水量がそれぞれ37%、78%増加した。夏季降雨後に連続した晴天日において、保水量の小さい(1)・(3)試験体は降雨2日後以降、蒸発効率が0近くまで低下した。(3)スナゴケ試験体(日向)は保水量が限定的であるため、日射量が大きくなるにつれてコケ表面温度は上昇し、気温+30℃近くまで上昇した。(2)スギゴケ試験体(日陰)は、砂層の保水量があるため蒸発が持続し、夏季降雨後晴天が4日間続いても気温以下の表面温度を維持した。■心理評価手法によるコケのわび・さびへの影響把握:面談調査法であるPAC分析により、コケ植物と「わび・さび」の関係を把握した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
おおむね当初の計画通り進展している。
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今後の研究の推進方策 |
研究はおおむね当初の計画通り進展しており、今後も申請した計画に沿って研究を推進させる。
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次年度の研究費の使用計画 |
申請した計画を推進させるよう研究費を使用する。
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