昨年度ヒアリング調査を行ったナチュールモニュメンテンの取り組み事例についてニューコープの体験プログラムに参加し、参与観察ならびにヒアリング調査を行った。 参加者の大半は50代以上で、対象地周辺に居住していること、グリーンハート内には居住者は少ないが周辺としからの訪問が容易なことから参加者が多いことが明らかになった。また、ガイドはそれぞれ専門分野があり、毎年4月に集合してプログラムを提示、マネージャーが整理、調整を行うことで人的資源を運用していることが分かった。なお、ニューコープの場合、100人以上のボランティア登録があり、多くは40~50km圏内に居住し、週1回かそれ以下の頻度でボランティア活動に参加していることがわかった。つまり、車で1時間圏がボランティア継続や参加者確保の一つの目安であること、多くて週1回、大抵は月1~2回が活動の継続性につながっていると言える。 また、ナチュールモニュメンテンと同様の活動団体として、ベルギーのナチュールプントにもヒアリング調査および再生事例の現地調査を行った。 ナチュールプントは1933年に創設されたNPOを前身として1951年に設立された。ナチュールモニュメンテンと同様に自然保護、再生に取り組んでいるが、マネジメントの仕組みに特徴があり、トップダウン的に展開してきたナチュールモニュメンテンに対して、ボトムアップ的であることが特徴である。それを支える仕組みがリクルーティングと研修で、ボランティアに人材育成も任せていることが分かった。ただし、ナチュールプントはコーチを派遣しており、執行部からの指令型ではなく、現場からの相談対応により運営を行っていることが分かった。 現在、ナチュールモニュメンテンもボトムアップ型への転換を目指しており、現場に委任する体制、システムとしてナチュールプントの仕組みは示唆に富むことが明らかになった。
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