研究課題
近年、政府の「新成長戦略」や国土交通省の「成長戦略」において、低炭素社会の実現に向けた具体的な取組みが注目される中、「地産地消」は環境負荷低減ならびに地域産業の振興策の一つともいえる。また、その活動は生活空間の一部を利用し維持しており、地域再生や活性化を考えるうえで重要な手がかりを有している。本研究の目的は、生活に根ざした地産地消を対象に環境負荷低減の観点から基本構造を解明し理論化することである。また、従来建築・都市計画分野で、空間デザイン要素の対象とされてこなかった「地産地消」の概念を、デザイン可視化に焦点をあて、地産地消がつくり出した空間の構造を体系化することである。上記の問題意識に立ち、次の2点を目的に進められた。1)公共空間にかかわる都市計画の背景・状況などを明らかし、公共空間が生活空間やコミュニティ空間として機能する物的条件と、空間的な利用形態の分析し類型化を試みる。2)公共空間と地産地消が融合できるデザイン的条件や運用ルールを抽出する。その結果、次のような成果が得られた。①ニューヨーク市(アメリカ)、アムステルダム市(オランダ)、ソウル市(韓国)、台北市(台湾)、上海市(中国)の市場調査を行い、公共空間に係る制度と運用実態を明らかにした。②千葉市内の朝市の調査を通して、地産地消が生み出す賑わいの実態と市民意識を明らかにした。上述した成果の一部はInternational Urban Design Conference 2013や2013年度日本建築学会学術講演梗概集(北海道)などにて発表を行い、また、INTERDISCIPLINARY CROSSING AND INTERGRATION (HARBIN INSTITUTE OF TECHNOLOGY PRESS, 2012)として出版された。
すべて 2013
すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (3件)
International Urban Design Conference
巻: 6th DVD-R ページ: 111-121