研究課題
平成25年度は、平成23年度に行った高知県吾川郡仁淀川町の山間集落におけるネットワーク調査の結果をベースラインとし、地域に新しく建設された住民主体の地域づくり活動拠点施設が住民ネットワークに及ぼす影響を測定する計画であった。しかし定量的なネットワークの再計測については、調査対象者に対する時間的・心理的負荷が非常に高くなることが予想され、倫理的配慮から断念することとした。代わりに現地訪問による観察と聞き取りを中心とした質的調査でこれを代替することとした。調査は平成25年11月に行われた地域イベントに併せて行った。拠点施設の使用状況は安定している様子であったが、在来客の少なさから収益をあげられる状況にはまだ至っていないとのことであった。地域内のネットワークについては、地域づくりに対する役割が安定的に分担されるようになっていることが示唆される一方で、地域外からの関わりが多様化しており、継続的な住民活動が外に向けたネットワークの拡大を促していることが示唆された。今後は、ネットワーク調査で得た定量データと観察および聞き取り調査から得た質的データを突き合せ、住民主体の地域づくり活動が地域内外に及ぼして来た影響を総合的に評価することが課題となる。
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