内モンゴル自治区を対象に、消滅の危機にあるゲルを含む牧畜民の独自の文化及び生業、自然環境などを一体の生活領域と捉え、保全計画を策定することを目的とし、「文化的景観」保全の視点を取り入れ牧畜民の生活領域の動態を把握した。放牧地の分配方法の差により、放牧範囲が縮小し、景観要素に変容がみられる。また、家畜や人々が季節の自然条件に応じて集合する拠点が分散固定することにより、四季による移ろいなどをまとまった景観として捉えることは難しくなっている。牧畜民同士の近隣ネットワークなどを更に分析し、現地研究者と恊働での計画策定へ繋げる必要がある。
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