研究課題/領域番号 |
23760583
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研究機関 | 大阪市立大学 |
研究代表者 |
佐久間 康富 大阪市立大学, 工学(系)研究科(研究院), 講師 (30367023)
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キーワード | 都市・地域計画 / まちづくり / 地域づくり / 地域型NPO / 地域空間マネジメント / 指定管理者制度 |
研究概要 |
本研究は、特定テーマを超えて地域空間の総合的課題を扱う地域型NPOの地域空間のマネジメントを「見える化」することで、縮減時代における地域空間マネジメントの新たな計画理論を構築することを目的としている。平成24年度は以下のことを明らかにした。 1)地域型NPOの事例として、大阪府堺市東区を中心に活動するさかいヒルフロントフォーラムを対象に継続的な参与観察を行った。さかいヒルフロントフォーラムの活動を基盤として、町会連合会の活動、区民会議など行政との連携活動など、多様な領域に活動が広がっていることを明らかにした。特に区民会議を中心とする活動では、落書き消し、クリーンアップ作戦、まちあるきマップ作成による環境整備へと領域が広がり、住民間の連携の機会となっていることを確認した。 2)先進事例調査として、Fusion長池の活動視察、代表者インタビューを実施した。当団体は1999年の設立から14年目に当たり団体代表者の世代交代の時期にあること、当初は活動領域が総合的に広がっていたが、時間の経過とともにある領域の他団体への分離・独立、他団体との新たな連携を通じて、すべてを一団体で担うのでなく複数団体の連携によって総合的な領域をカバーしていることが明らかになった。 3)地域空間マネジメントの見える化に関する調査として、景観まちづくりを基点とした地域空間マネジメントに取り組んでいる千葉県浦安市・うらやす景観まちづくりフォーラムなどのまちづくり団体へのインタビューを実施し、まちづくりプロセスの記述を試みた。地域空間マネジメントにおけるまちづくり戦略とまちづくり活動の関係が見える化のポイントであることを確認することができた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
先進事例調査は進捗しているが、アンケート調査は若干遅れている。25年度の研究計画を見直し、研究内容を遂行する。
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今後の研究の推進方策 |
引き続き、研究目的である1)全国の地域型NPOの動向、2)インタビュー調査による地域型NPOの活動領域の広がりと連携状況を明らかにする。 1)全国の地域型NPOの動向:これまでの知見をふまえて前年度から進めているアンケート調査の設計を再検討し、地域型NPOへのアンケート調査を実施する。研究計画の進捗を勘案し、対象事例を精査することで25年度内に成果を出す。 2)地域型NPOの活動領域の広がりと連携状況の把握:これまでの研究実績をふまえて引き続き先進事例となる団体へのインタビュー調査を行う。インタビュー結果とアンケート調査結果が連動するように、アンケート調査を検証する。
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次年度の研究費の使用計画 |
次年度使用額が約150千円生じてしまったのは、アンケート調査を遂行できなかったためである。次年度計画は、当初の計画である先進事例調査の旅費交通費、インタビュー結果テープ起こし、アンケート結果入力・分析アルバイト謝金、アンケート郵送費等の支出を予定している。
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