研究課題/領域番号 |
23760594
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研究機関 | 立命館大学 |
研究代表者 |
式 王美子 立命館大学, 政策科学部, 准教授 (10512725)
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キーワード | 住宅政策 / 貧困居住 / アフォーダビリティ / 家賃補助 |
研究概要 |
本研究は、日本におけるアフォーダビリティに関わる住宅問題の実証的な把握と、低所得世帯を対象にした国内外の住宅政策における家賃補助政策論の分析を行う。研究期間において、 (1)住宅アフォーダビリティと家賃補助政策に関する国内外の文献調査、(2)ミクロデータを使用した住宅問題の実証研究、(3)国内の住宅政策や家賃補助政策に関する政策議論に関する分析、以上の3つの研究項目について研究を進める予定である。 平成24年度は、8月から10月にかけて産前産後の休暇を取得したことから、復帰後、研究期間を1年間延長するなど研究計画を見直し、次のような研究作業を実施した。(1)については英語文献を中心に、米国の文献の他に家賃補助研究が進んでいるヨーロッパ諸国の文献調査を開始し、文献の抽出・入手・レビューに着手した。(2)については、前年度から分析を行っている住宅統計データに加えて家計支出における住居費データを含む消費者実態調査のデータを使用して分析を行うことにし、分析に向けてデータ整備を行った。(3)については、居住貧困に関する研究会や政策集会に参加し情報収集をしながら、住宅政策形成のキーとなる公的及び民間団体や人物へのネットワークを広げ、その中から地方自治体住宅局一つと民間住宅団体のキーパンソン二人を対象に政策議論の動向についてヒアリング調査を行い、調査結果の一部は住宅研究会報誌で報告を行った。また、東日本大震災を受けて急速に普及した民間賃貸住宅借り上げ制度に関して、前年度に仙台市・多賀城市で行った自治体・不動産業界団体へのヒアリング調査の結果を、家賃補助政策との関係について整理して論説としてまとめ、住宅学会で発表を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本年度は、前述のように年度途中での産休に伴い研究計画の見直しを行っている。前年度に開始した(1)国内外文献調査(2)実証分析(3)国内政策議論の分析の3つの研究作業について、修正後の研究計画に沿っておおむね順調に継続することができた。 (1)に関しては計画通りにヨーロッパ諸国の文献の研究に着手することができた。(2)に関しては新しく消費者実態調査データの使用を開始したが少々データ整備に時間を要しているものの、データの整備後は分析作業の向上が見込まれるこることから当初の研究目的は達成していけると思われる。(3)のヒアリング調査に関しては、前年度より行っているネットワーク構築により人脈が広がり、実際に政策形成に関連する団体や人物へのヒアリング調査も開始することができており研究は順調に進んでいる。そのため全体としては、研究はおおむね順調に進展しているといえる。
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今後の研究の推進方策 |
平成25年度は、前年度の研究を継続発展させながら、より緻密な分析を行っていく。(1)の海外文献調査作業について、欧米諸国の家賃補助政策導入をめぐる住宅問題や政策議論の論点を整理する。(2) 住宅データの実証分析に関しては、家賃の高負担と居住水準という住宅困窮者の定義について精査し分析を行うとともに、全国消費実態調査の分析も加えることで持家世帯に関する分析を充実させる。また、日米の住宅データの比較も継続して行う。分析結果は論点をまとめて、学会での発表を目指す。 (3)の政策議論研究では、住宅政策や社会保障制度策定にかかわる資料を分析するほか、昨年に引き続き、ネットワークの形成及び政策形成のキーパーソン・団体へのヒアリング調査を行う。
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次年度の研究費の使用計画 |
平成24年度は産前産後の休暇を取得したため研究期間の延長や研究作業の見直しを行ったため、結果として当該年度の研究作業が当初の計画よりも縮小したことにより「次年度に使用する予定の研究費」が発生している。産休復帰後の研究計画の見直しでは、平成24年度の研究費の変更を考慮した上で、平成25年度以降の研究費使用計画を作成してる。具体的な使用用途は以下の通りである。 (1)ソフトウェア・書籍の購入:世帯・住宅データの分析では統計ソフトのSTATA・S PSSを使用しており、引き続きヴァージョンのアップグレードを行っていく。前年度に引き続き文献調査のために、住宅や貧困居住に関する国内外の論文・書籍を購入する。特に海外の文献に関しては、オンライン・ジャーナルを通して論文を購入する予定である。(2)謝礼:PC環境の整備や資料収集・データ分析などの研究作業の効率化を図るために、学部・大学院生を研究補助スタッフとして雇用する。謝礼は本学雇用規定に基づいて支出する。(3)旅費:政策議論に関する情報収集のための研究会や政策集会への参加、ヒアリング調査、研究成果発表のための学会出席などを目的として旅費を支出予定である。(4)その他:研究作業に関連する文具や印刷、PC消耗品などを購入予定である。
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