1925年にイタリアで設立された労働者の余暇活動を管理・運営する組織である全国ドーポラヴォーロ事業団が行った建築関連の活動は、労働者住宅にかんする諸施策と余暇活動のための施設整備の2つに大別される。本研究では、1927年から1933年にかけてのみ取り組まれたものとしてその住宅関連施策の全容を明らかにするとともに、とりわけて重要な余暇施設であるパルマとヴェルチェッリの事例について、その建築的特徴を具体的に指摘した。また、事業団による建築関連の活動と、ファシズム体制による公団住宅整備を複合的に捉えながら、ファシズム期における都市の生活空間について分析を行った。
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