研究課題/領域番号 |
23760616
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研究機関 | 長崎総合科学大学 |
研究代表者 |
山田 由香里 長崎総合科学大学, その他部局等, 准教授 (60454948)
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キーワード | 大工道具 / 鉄川与助 / ド・ロ神父 / 近代の道具・技術の伝来 / 長崎の教会建築 / カタログ通販 |
研究概要 |
本研究の目的は、I鉄川与助大工道具の鉋12点の復原(平成23年度完了)、II復原鉋を用いた技術検証(平成24年度完了)、III総合的検討と周知(平成24年度一部終了)からなる。 平成25年度はIIIを計画し、次の調査研究を実施した。①調査成果の周知伝達、②ド・ロ神父記念館所蔵道具の調査検討、③平成23年度からの成果の取りまとめと発表である。以下の成果を得た。 ①日本建築学会大会における発表(「鉄川与助のフランス製鉋が与える示唆――カタログ通信販売による道具・技術の伝来」)、および長崎楽会における発表(「教会をつくった大工道具)」を行い、周知伝達に努めた。 ②当方が育児中のため(平成24年11月~25年1月にかけて産休取得)、出張が難しく、検討が進まなかった。 ③現在、書籍「教会をつくった大工道具」にまとめるべく執筆中である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
研究実績の概要で述べたとおり、現在育児中のため、研究活動時間が限られ、平成25年度に予定していた調査研究の実施が一部困難であった。幸いに、1年の研究期間延長を認めていただいたので、研究を進めるとともに、平成23年度からの成果を書籍にまとめ、広く一般に手にとれる成果として平成26年度中にまとめる予定である。
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今後の研究の推進方策 |
研究実績の概要、および現在までの達成度で述べた調査研究の一部遅延は、当初予定していた調査検討が予定よりも早く進み、その過程で見出した新たな研究課題である。この部分は、平成23年度からの調査研究の中では付随する部分となり、研究の本筋についてはほぼ調査研究が完了している状況である。出版社との交渉で、成果を書籍にまとめられる段階にきていることから、付随する部分の調査研究は将来的な課題とし、平成26年度は1冊にまとめて広く一般に手に取れる成果とすることを先行する予定である。 ちょうど、今年度、「長崎の教会建築」は世界遺産登録に向けて本申請される予定であり、その機を逃さずに成果の公表とする。
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次年度の研究費の使用計画 |
当該助成金が生じた状況は、平成24年11月から平成25年1月まで産休を取得し、研究が中断したために、当初の予定から1年研究期間を延長していただいたために生じたものである。 平成26年度は最終年度のまとめにあたり、現在書籍として発行するための準備と執筆を進めており、書籍発行のための編集・印刷・旅費などに用いる計画である。 318,728円の使用内訳は、その他(書籍編集・印刷費)25万円、旅費(補足調査)5万円、物品費(消耗品など)残金、の予定である。
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