研究課題
マルテンサイト変態の背後にある機構、特に系の不均一性や非化学量論組成の与える影響および構造安定性と磁性との関係の解明に向けて、不規則性を考慮した高精度第一原理電子状態計算を行った。本年度は前年度に引き続き、これまで詳細な実験が行われており、第一原理計算による議論も試みられている系について全エネルギーを計算し、構造の安定性を評価した。前年度はFe-Pd完全不規則合金の体積、c/a比に対するbinding energy surfaceを計算したので、今年度は部分不規則合金の計算を行ってbinding energy surfaceの規則度依存性を調べた。その結果、完全不規則合金の計算では得られなかった面心正方晶相が部分不規則合金では得られることが明らかになった。不純物濃度と規則度に対する相図を作成し、安定性を議論した。同様の計算を他のFe-Pt合金についても行った。今後は更に他のFe系合金の系統的な計算と格子緩和の効果を取り入れた計算との比較、議論が必要である。また、ホイスラー合金系の磁性の評価に関する研究も行った。特に、Ni2MnSnおよびNi2MnGaにPtを添加した系に着目して、歪みによる有効交換相互作用定数の変化を調べた。交換相互作用定数の変化の起源を探るために定数を電子状態で分解する手法を開発し、そのように分解された交換相互作用のふるまいを議論した。
3: やや遅れている
おおむね当初の予定通り進んだが、格子緩和の議論までいけなかった。
平成24年度計画で達成できなかったものから引き続き計画を推進する。今後は、格子緩和の効果に重点を絞って研究を進める。
主に旅費に使用する。研究費の使用についても計画通りなので、このまま当初の計画に沿って進める。
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すべて 雑誌論文 (4件) (うち査読あり 4件) 学会発表 (5件) (うち招待講演 1件)
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