本研究では、透過電子顕微鏡(TEM)内に2本の駆動探針を導入することで、電気物性・熱物性評価に向けたTEM内電気計測手法の基盤技術の開発と高度化を図った。具体的には、精密電気抵抗計測用の多層カーボンナノチューブ(CNT)ナノ探針の作製、電子線リソグラフィーと集束イオンビーム(FIB)による定電流印加用TEM試料の開発、および局所温度計測用微小熱電対の開発を行った。開発したこれらのTEM内電気計測に関する基盤技術を用いることで、電子線照射時の試料の温度の直接計測、電流印加下のCNTの温度の直接計測、および放熱用複合材料におけるフォノン伝導の評価のデモンストレーションにも成功した。
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