電圧を加えると大きく歪む特性を有する圧電材料は様々な用途で実用に供されている.代表的な材料の1つであるPMN-PTは特に高い圧電特性を示すが,圧電特性発現のメカニズムは解明されていなかった.本研究では圧電特性の起源を解明することを目的として,透過型電子顕微鏡法によるその場観察および原子配列の観察を行った.材料内部に形成される強誘電ナノドメインと呼ばれる構造が電圧を加えることで変化する様子を世界で初めて明らかにした.また本研究で得られた成果を基にした考察から,強誘電ナノドメインの応答がPMN-PT材料全体の圧電特性に大きな影響を与えることが明らかとなった.
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