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2011 年度 実施状況報告書

三族窒化物微細単結晶をテンプレートとした無極性面量子井戸構造の創製

研究課題

研究課題/領域番号 23760636
研究機関静岡大学

研究代表者

坂元 尚紀  静岡大学, 工学部, 助教 (80451996)

研究期間 (年度) 2011-04-28 – 2013-03-31
キーワード三族窒化物 / 単結晶成長 / CVD法
研究概要

平成23年度においては、シングルパス供給法によりAlI3, InCl3 原料を供給することによってAlInNエピタキシャル成長を試みた。結果として、エピタキシャル成長が困難となってしまうものの、柱状InNの成長が確認され、さらにAlが固溶していることがXRDおよびSEM-EDSによる解析から示唆された。この結果から、柱状AlInNをエピタキシャル成長をさせるためには、初めにInCl3原料のみを供給することでInNのみを基板上に成長させ、その後原料供給量を制御しながら一定のAlI3原料を供給する必要があることが分かる。このことは基板上における結晶核の発生が後の柱状InNの結晶成長に極めて大きい影響を及ぼしていることを意味している。サファイア基板上へのInNのエピタキシャル成長のメカニズムについてはいくつかの報告があるが、本研究のように単結晶InNが成長する例は極めてまれであり、この成長様式を理解する指針を示している結果であると考えられ、意義深い結果が得られたと考えている。次年度に行うAlI3原料を精密に導入することによって結晶成長メカニズムに関する理解はさらに深まることが予想され、学術的にも価値のある意義深い研究が行えるものと期待している。次年度には柱状InNの表面にAlInN/InN/AlInN層状構造を形成し、EL発光スペクトルやTEMによる断面観察から層状構造の確認・層厚さにおよぼす成長条件についてまとめることが出来るものと期待している。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

研究計画に従い、平成23年度中はAlI3 原料およびInCl3原料を温度制御により同時供給するシングルパス法によってAlInNのエピタキシャル成長を試みた。シングルパス法では原料の安定的かつ精密な供給量の制御が困難であることが明らかとなった。平成24年度に計画されていたマルチパス法による原料供給のための装置設計および装置の改良を始めている段階であり、計画通りに進行していると評価できる。

今後の研究の推進方策

当初の予定に従い、平成24年度はマルチパス法による原料供給を行い、エピタキシャルAlInN成長を行う。具体的には反応装置の原料供給部分の拡充およびガス流量精密制御のためにマスフローコントローラを利用したガス制御システムを構築する。

次年度の研究費の使用計画

マルチパス法による原料供給のため、ガラス加工およびガス流量精密制御のためのマスフローコントローラの購入を計画している。また情報取得および成果発表のための学会参加・論文発表等のための予算執行を計画している。

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公開日: 2013-07-10  

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