研究課題/領域番号 |
23760637
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研究機関 | 名古屋工業大学 |
研究代表者 |
籠宮 功 名古屋工業大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (40318811)
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キーワード | 酸素透過性セラミックス |
研究概要 |
着目する異方性をもつSr-Fe系混合導電性ペロブスカイトについて、精密X線回折によって、酸素欠損構造を明らかにし、酸化物イオン輸送メカニズムについて検討した。これより注目する本ペロブスカイト酸化物において、酸化物イオン輸送経路にも異方性があり、容易輸送方向・経路が存在することが明らかとなった。 以上得られた学術的知見を踏まえ、組織配向制御セラミックスの作製をテンプレート粒子成長法にて検討を始めた。まずアルカリ金属を含むフラックスを用い、溶融塩法によって本ペロブスカイト酸化物のテンプレート粒子の作製条件を検討することで、約5-10ミクロンの板状粒子が得られた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
酸素透過性セラミックスの配向制御を検討し、酸素透過性能を評価する予定であったが、配向制御に必要としたテンプレート粒子が、これまでの他組成で既知であった作製条件と異なることが分かった。そのため、一部予定を変更し、テンプレート粒子の作製条件を新たに最適化することとしたため、配向制御およびその配向制御した試料の酸素透過測定を平成26年度に行うこととした。
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今後の研究の推進方策 |
これまで蓄積しているノウハウを最大限活用することで、テープキャスト法による配向制御セラミックスの最適な作製条件を本年度半ばまでに決定する計画である。その後、酸素透過測定を集中して行う。酸素透過測定の効率化を図るために、作製した試料の透過測定時に必要であったセラミックス加工を不要にし、作製後速やかに測定できるようにする。そのために、プレス時に使用するダイスのサイズを最適なものにする。
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次年度の研究費の使用計画 |
平成25年度に、酸素透過性セラミックスの配向制御のための作製条件を検討し、酸素透過性を評価する予定であったが、配向制御に必要なテンプレート粒子の作製条件が、組成の異なる材料について、以前に予備実験で確認していたものと異なることが分かった。そのため、計画を一部変更し、テンプレート粒子の作製条件の最適化の検討を行うこととした。このため、酸素透過性セラミックスの配向制御およびその作製試料の酸素透過性の測定に必要な材料費、消耗品費が未使用となった。さらにこの結果に基づいて学会発表を行う予定であったが、その旅費が未使用となった。 平成26年度に配向制御試料の作製、その酸素透過性の評価を行うこととし、未使用額は、上記材料・消耗品費、学会発表用旅費として充てることとしたい。
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