六方晶ダイヤモンド単相よりなる純粋なバルク焼結体の合成を目指し,主にマルチアンビル高圧装置を用いた実験的研究を展開してきた.出発物質に極めて結晶性・配向性の良いグラファイトを用い,圧力25 GPa,温度1100~1500℃の条件下で直接変換合成を行うと,未反応のグラファイトの残留物や立方晶ダイヤを全く含まない六方晶ダイヤの単相焼結体を得ることに成功した.同試料は,厚さ数~数十nmの層状ユニットよりなる層状組織をなす緻密な焼結体で,立方晶ダイヤと同等かそれを凌ぐ高い圧入硬度を有することから,新規硬質材料として期待される.
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