研究課題
標題の(Bi1/2K1/2)TiO3 [BKT]は、キュリー温度Tcが約400℃と比較的高く、圧電定数d33も約100 pC/Nと非鉛系の中では比較的大きいことから、非鉛圧電アクチュエータの候補として注目を集めている。本研究課題では、このBKTセラミックスに着目し、250℃程度まで使用可能な温度補償型・非鉛積層圧電アクチュエータの開発を目指して研究を進めている。平成24年度は、銀-パラジウム電極Ag-Pd(7:3)を内部電極としたBKT積層セラミックスアクチュエータの試作を行い、良好な電気的諸特性を有するBKT積層セラミックアクチュエータが作製できることが明らかとなった。その一方で、内部電極との同時焼成におけるプロセスウィンドウが狭く、電極材のBKT中への拡散や反応などの問題があることが明らかとなった。そこで平成25年度は、これらの問題を緩和させることを目的として、高密度BKTセラミックスの低温度焼結化について検討を行った。低温度焼結化の手法としていくつかの添加物について実験を行った結果、Liイオンの導入によって、無添加BKTセラミックスに比べて100℃程度の低温度焼結化が可能であることが分かった。その一方で、BKTセラミックスの強誘電性や圧電性は、セラミックスの粒径と密接に関連しており、電気的諸特性の向上には、より粒成長を促すことが重要であることが明らかとなった。平成25年度をもって研究期間としては終了したものの、現在も継続して研究を進めており、銀電極の拡散やBKT系セラミックスのさらなる低温度焼結化、粒子配向型積層アクチュエータの試作などの検討・研究を進めている。
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