熱電変換材料とは温度差と電気を相互変換する材料であり、冷却素子や発電素子として応用されています。しかしこれらは毒性元素や希少元素を含んでいるという問題があり、代替材料の開発が急務です。そこで本研究では、電子構造や格子振動の特性が変換効率や熱抵抗の目標値の達成に十分であるか判定するための理論計算手法を開発しました。これらの手法を用いて500種類以上の化合物の計算を行い、有望な化合物の特徴を解明しました。研究の過程で見つかった候補物質は実際に合成し、MgSrSi型化合物やSnS, Sn2S3などのスズ硫化物が非常に低い熱伝導率を持つ有望な熱電変換材料候補物質であることを発見しました。
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