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2011 年度 実施状況報告書

新規バイオアッセイを適用した金属の抗菌作用の発現及び微生物付着挙動に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 23760660
研究機関秋田大学

研究代表者

宮野 泰征  秋田大学, 教育文化学部, 准教授 (60466589)

研究期間 (年度) 2011-04-28 – 2013-03-31
キーワード抗菌 / 抗菌性金属 / 銅 / フィルム密着 / JIS Z2801 / ISO 22196 / バイオフィルム / 薄膜
研究概要

抗菌性金属の物質量をÅオーダーの膜厚で精細に制御した薄膜試料を作製し、金属の抗菌作用の発現機構の解明および金属の抗菌作用の発現を決定する固体物質量と抗菌強度の相関の解明にむけたバイオアッセイを実施した。(1) IBAD法による抗菌性金属の物質量をÅオーダーの膜厚で制御した薄膜試料の作製:IBAD(イオンビームアシストデポジション)法により、 Cuの抗菌性金属の薄膜をステンレス鋼(汎用実用材料)、シリコンウエハー(市販平滑表面材料)の各基盤を対象に作製した。作製した薄膜を対象としたXRF、XPSなどの解析結果から、任意の膜厚で抗菌性金属薄膜試料を作製するための製膜条件を導出した。(2) 新規バイオアッセイを利用した抗菌作用発現の閾値(最小物質量)の導出:上述抗菌性金属薄膜試料を適用したフィルム密着法(公定法)を実施した。抗菌の発現に十分な膜厚(バルク材相当)からモノレイヤー相当(5Å)の薄膜までの試料を対象に、評価する抗菌性金属ごとのバイオアッセイを実施した。抗菌作用の発現が確認された膜厚から抗菌金属の物質量を導出し、抗菌性金属ごとの抗菌作用の発現の閾値(抗菌作用の発現を決定する金属の最小固体物質量)および抗菌強度について検討した。(3) 抗菌評価空間中の生成物質の特定および化学定量分析に基づく抗菌機構解明研究:上記アッセイを適用した抗菌評価空間(固体表面に微生物培養液を接触させ、それをフィルムで覆うことで規定される単位空間)に存在する、溶出金属イオンを料表面の物性、物質量からXRF、XPS等の定量解析手法により検討した。

現在までの達成度
現在までの達成度

2: おおむね順調に進展している

理由

先行実験が功を奏し、抗菌性金属の物質量をÅオーダーの膜厚で精細に制御した薄膜試料を作製を順調に実現できた。試験片を使用したバイオアッセイの試行で、閾値の存在を示唆する結果を早期に取得できた。(1) IBAD法による抗菌性金属の物質量をÅオーダーの膜厚で制御した薄膜試料の作製:IBAD(イオンビームアシストデポジション)法により、 Cuの抗菌性金属の薄膜をステンレス鋼(汎用実用材料)基盤を対象に作製し、作製した薄膜を対象としたXRF、XPSなどの解析結果から、任意の膜厚で抗菌性金属薄膜試料を作製するための製膜条件の導出ができた。(2) 新規バイオアッセイを利用した抗菌作用発現の閾値(最小物質量)の導出:上述抗菌性金属薄膜試料を適用したフィルム密着法(公定法)を実施し、抗菌作用の発現が確認された膜厚から抗菌金属の物質量を導出し、抗菌性金属ごとの抗菌作用の発現の閾値(抗菌作用の発現を決定する金属の最小固体物質量)および抗菌強度の関係を検討する基盤を導出できた。(3) 抗菌評価空間中の生成物質の特定および化学定量分析に基づく抗菌機構解明研究:上記アッセイを適用した抗菌評価空間(固体表面に微生物培養液を接触させ、それをフィルムで覆うことで規定される単位空間)に存在する、溶出金属イオンを料表面の物性、物質量からXRF、XPS等の定量解析手法にる検討に着手できた。

今後の研究の推進方策

(1)バイオアッセイ系を対象とした化学定量分析、生化学的解析に基づく抗菌作用発現機構の解明について金属の抗菌作用は、溶出イオンの影響によるとする間接作用説と、金属表面での水酸基、酸素ラジカルの生成によるとする直接作用説の二説があり解明はされていない。本研究では、上述バイオアッセイにより実現される抗菌評価空間内部の化学物質(固体表面物性、溶出イオン、生成ラジカル)を、ICP、XPS、XRF等の定量分析手法、あるいは比色法等により検討し、抗菌作用物質の特定・解明を行う。抗菌影響を受けた微生物細胞を対象としたXRF、TEM-EDS による定量分析、金属キレートアフィニティイグラフィなどの生化学的解析手法により微生物の生育阻害となる金属の作用についても検討する。(2)In-situ 観察手法を適用した抗菌性金属材料のバイオフィルム形成抑制効果の解析について抗菌性金属材料の有効利用拡大、信頼性・耐久性の確保には、抗菌性金属表面・近傍の微生物挙動、空間分布の解明が不可欠である。上述バイオアッセイを適用した、フィルム密着法、およびフローカルチャーセル(疑似実用環境)双方の抗菌評価空間を対象にin-situ 観察を実施し、微生物の空間分布、バイオフィルム形成抑制効果(付着・生死挙動)を解析し、材料開発、抗菌材料の信頼性、耐久性および有効利用に関する研究の基盤を確立する。

次年度の研究費の使用計画

In-situ 観察手法を適用した抗菌性金属材料のバイオフィルム形成抑制効果の解析については、高感度の冷却CCDカメラの設置が不可欠である。現在の光学観察システムを最大限に活用できる設備の構築に努めたい。また、観察対象とするフローカルチャーセル(疑似実用環境)についても、試作、評価を実施しながら、実験データの取得に臨む所存である。本年度6月に予定されている国際会議に参加し、世界各国の研究情報の情報収集に努めるとともに、研究に関係の深い研究機関を訪問し今後の研究推進のための討論をいただく予定である。国内学会での発表データに努めるとともに、既得データを基にした論文を数本投稿の予定としている。

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2012 2011

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (3件)

  • [雑誌論文] 膜厚制御型試料を利用した銅の抗菌性発現最小量評価法の開発2012

    • 著者名/発表者名
      宮野泰征、本城国明、神谷修、木内正人
    • 雑誌名

      日本銅学会誌「銅と銅合金」

      巻: 第51巻(2012,Vol.51) ページ: 掲載予定

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 抗菌性金属を利用したバイオフィルム抑制技術2011

    • 著者名/発表者名
      宮野泰征
    • 雑誌名

      バイオマテリアルー生体材料

      巻: 29-4 ページ: 259-265

  • [学会発表] Development of new bioassay for the antibacterial mechanism of metallic copper using Cu thin coating plates2012

    • 著者名/発表者名
      Yasuyuki Miyano, Kuniaki Honjo, Takashi Chiba, Osamu Kamiya, Masato Kiuchi
    • 学会等名
      The 8th EU-Japan Joint Symposium on Plasma Processing (JSPP2012)
    • 発表場所
      東大寺カルチャーセンター
    • 年月日
      2012. 01.15
  • [学会発表] 銅薄膜材を使用した銅の抗菌機能に関する基礎的研究2011

    • 著者名/発表者名
      宮野 泰征, 本城 国明, 神谷 修, 木内 正人
    • 学会等名
      日本銅学会(銅及び銅合金技術研究会)第51回全国大会
    • 発表場所
      京都テルサ
    • 年月日
      2011.11.16
  • [学会発表] 膜厚制御型金属表面を適用した新規バイオアッセイによる銅の抗菌機構の解明2011

    • 著者名/発表者名
      宮野泰征,本城国明,古川壮一,森永康, 荻原博和,神谷修,千葉隆,木内正人
    • 学会等名
      日本防菌防黴学会 第38回年次大会
    • 発表場所
      千里ライフサイエンスセンター
    • 年月日
      2011-08-24

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公開日: 2013-07-10  

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