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2011 年度 実施状況報告書

マクロ・ミクロ相分離型新規低鉄損アモルファス軟磁性合金の開発

研究課題

研究課題/領域番号 23760667
研究機関大阪大学

研究代表者

永瀬 丈嗣  大阪大学, 超高圧電子顕微鏡センター, 講師 (50362661)

研究期間 (年度) 2011-04-28 – 2013-03-31
キーワード金属ガラス / アモルファス / 液体急冷 / ワイヤー / ファイバー / 電子顕微鏡 / 材料組織 / 液体分離
研究概要

マクロ・ミクロ相分離型新規低鉄損アモルファス軟磁性合金の開発に関する研究を推進した。Co-Cu-Si-B合金において、汎用の単ロール液体急冷装置を用いることにより、マクロに相分離した二層合金リボンの作製を達成した。XRDの観察から、このマクロ分離二層合金リボンの主要構成相が、Cu結晶とアモルファス相からなることを明らかとした。熱分析の結果より、アモルファス相の形成を確認した。SEMおよびEPMA観察より、マクロ層分離組織が、Fcc-Cu結晶相と、Co-Si-Bアモルファス相より構成されていることが確認された。SEM、TEM、超高圧電子顕微鏡を用いたHVEM観察、およびHREM観察の結果、Co-Si-Bアモルファス相中にFcc-Cuグロビュールが分散していることが確認された。このFcc-Cuグロビュールの形成は、マルチステップ液体相分離によるものと考えられた。以上の結果より、マクロに相分離した二層合金リボンの特異な組織は、液体分離に起因して形成されたと考えられた。一方、Fe-Cu-Si-B合金においては、マクロに相分離した組織が形成されず、ミクロ相分離組織の形成を確認した。この結果より、大きな相分離組織は、合金および組成依存性が存在することが確認された。また、これら合金のワイヤーの作製も達成した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

1: 当初の計画以上に進展している

理由

平成23年度計画に従い、研究を実施した。研究実施計画のうち、(A) Co-Cu基 Co-Cu-Si-B合金の試料作成、(B) Fe-Cu基 Fe-Ag基合金合金の試料作成、(C) Fe-Cu-Zr-B基、(D) マクロ・ミクロ相分離組織形成の支配因子の解明、を行った。項目(C)におけるFe-Cu-Nb-B系合金の作成は実施しなかったが、これについては、研究の進展により、Co-Cu-Si-B、Fe-Cu-Si-B、Fe-Ag-Si-B、およびFe-Cu-Zr-B合金のみの研究でも、当初の研究目的である(1)マクロ・ミクロ相分離組織・構造解析による相分離メカニズムの解明、(2)Cu結晶抜熱層/Fe基・Co基軟磁性ミクロ相分離アモルファス合金層からなる新規低鉄損アモルファス合金の開発、は達成されると判断できたためである。また、平成23年度において、平成24年度において計画していた、(A)超高圧電子顕微鏡を用いた広範囲・厚膜・三次元観察を、先行して実施した。

今後の研究の推進方策

研究実施計画に基づき、 (A)超高圧電子顕微鏡を用いた広範囲・厚膜・三次元観察、(B)球面収差補正機搭載電子顕微鏡JEM-ARM200F(JEOL)によるナノスケール組織・構造観察、(C)相分離組織形成メカニズムを解明、(D) 新規軟磁性アモルファス合金の試作と軟磁気特性評価、を試みる。この計画のうち、(A)に関しては、前年度の研究により一部実施がなされている。

次年度の研究費の使用計画

研究計画に大きな変更はないため、当初予定通りの計画を進めていく。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2011

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] Formation of melt-extracted wire with core-wire/surface-cover-layer structure by arc-melt-type melt-extraction method2011

    • 著者名/発表者名
      Takeshi Nagase
    • 学会等名
      International Conference on Precessing & Manufacturing of Advanced Materials 2011 (Thermec 2011)(招待講演)
    • 発表場所
      QuebecConvention Centre, Quebec, Canada
    • 年月日
      2011年8月3日

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公開日: 2013-07-10  

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