マクロ・ミクロ相分離型新規低鉄損アモルファス軟磁性合金の開発に関する研究を推進した。Fe-Cu-Zr-B合金において、汎用の単ロール液体急冷装置を用いることにより、Fe-Zr-B金属アモルファス合金に真球状Cu結晶が分散した、ミクロ・ナノ金属Cu結晶グロビュール分散アモルファス相が形成されることを明らかとした。SEM・TEM・HVEMおよびHREMによる低倍率~高倍率の連続組織観察、すなわちトランススケール組織観察によって、Cuグロビュールがマルチステップ液体相分離によるものであることを見出した。Fe-Cu-Zr-B合金系では、Fe/Cuの比率、B濃度、液体急速凝固プロセスを変化させても、マクロ相分離組織の形成は認められなかった。この結果より、マクロ・ミクロ相分離組織の形成が、合金系に強く依存することが明らかとなった。
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