フォトクロミック反応を活用した平版印刷法の開発と有機エレクトロニクスへの展開

2013 年度 研究成果報告書

• 研究課題/領域番号: 23760680
• 研究種目: 若手研究(B)
• 配分区分: 基金
• 研究分野: 構造・機能材料
• 研究機関: 独立行政法人産業技術総合研究所
• 研究代表者: 則包 恭央 独立行政法人産業技術総合研究所, 電子光技術研究部門, 主任研究員 (50425740)
• 研究期間 (年度): 2011 – 2013
• キーワード: 光応答性材料 / アゾベンゼン / 光異性化

研究概要

近年、有機材料を種々の電子デバイスに活用し、有機エレクトロルミネッセンス、有機薄膜太陽電池や有機薄膜トランジスタ(TFT)等の開発研究が行われている。これらの有機電子デバイスの特徴は、既存の無機材料ベースのデバイスよりも軽く柔軟性があり、しかも蒸着等の真空プロセスに替わって印刷技術を用いて作成でき、低コストで低環境負荷であると期待されることである。このようなデバイスの実現には、新材料の開発に加え、適した印刷プロセスの開発が求められている。そこで本研究では、上記課題を解決するため、フォトクロミック反応を活用した新しい印刷方法を構築することを目的とし、そのための基盤的研究を実施した。

研究成果

• [雑誌論文] Control of the Orientation and Photoinduced Phase Transitions of Macrocyclic Azobenzene (2013)
  • 著者名/発表者名: Emi Uchida, Kouji Sakaki, Yumiko Nakamura, Reiko Azumi, Yuki Hirai, Haruhisa Akiyama, Masaru Yoshida, Yasuo Norikane
  • 雑誌名: Chemistry -A European Journal 巻: 19 ページ: 17291-17397
  • DOI: 10.1002/chem.201302674
  • 査読あり
• [雑誌論文] Physical and Photochemical Properties of Macrocyclic Azobenzenes (2012)
  • 著者名/発表者名: Yasuo Norikane
  • 雑誌名: J. Photopolym. Sci. Technol. 巻: 25 ページ: 153-158
  • DOI: 10.2494/photopolymer.25.153
  • 査読あり
• [雑誌論文] Crystal Melting by Light : X-ray Crystal Structure Analysis of an Azo Crystal Showing Photoinduced Crystal-Melt Transition
  • 著者名/発表者名: Manabu Hoshino, Emi Uchida, Yasuo Norikane, Reiko Azumi, Shunsuke Nozawa, Ayana Tomita, Tokushi Sato, Shin-ichi Adachi, Shin-ya Koshihara
  • 雑誌名: Journal of the American Chemical Society 巻: (in press)
  • DOI: 10.1021/ja503652c
  • 査読あり
• [学会発表] Photoinduced crystal-liquid phase transitions by photoisomerization of azobenzene (2013)
  • 著者名/発表者名: 則包恭央
  • 学会等名: PCOS2013
  • 発表場所: ホテル瑞鳳(宮城県仙台市太白区)
  • 年月日: 2013-11-29
• [学会発表] 光異性化反応を活用した光で融ける有機材料の開発とその可能性 (2013)
  • 著者名/発表者名: 則包恭央
  • 学会等名: 第28回茨城地区「若手の会」交流会
  • 発表場所: つくばセミナーハウス(つくばみらい市)
  • 年月日: 2013-10-08
• [学会発表] Photoinduced phase transitions between crystal and liquid by photoisomerization of azobenzene (2013)
  • 著者名/発表者名: 則包恭央、内田江美、榊浩司、中村優美子、阿澄玲子、平井友樹、秋山陽久、吉田勝
  • 学会等名: International Photochemistry Conference (ICP2013)
  • 発表場所: ベルギー、ルーベン
  • 年月日: 2013-07-22
• [学会発表] Organic materials that liquefy upon light irradiation : Reversible crystal-liquid phase transition utilizing photoisomerization of azobenzene (2013)
  • 著者名/発表者名: 則包恭央
  • 学会等名: 日本化学会第93春季年会アジア国際シンポジウム
  • 発表場所: 立命館大学びわこ・くさつキャンパス(滋賀県草津市)
  • 年月日: 2013-03-24
• [学会発表] アゾベンゼノファンの結晶-液体および液晶-液体相転移挙動 (2012)
  • 著者名/発表者名: 則包恭央、内田江美、阿澄玲子、榊浩司、中村優美子、平井友樹、秋山陽久、吉田勝
  • 学会等名: 2012年光化学討論会
  • 発表場所: 東京工業大学大岡山キャンパス
  • 年月日: 2012-09-14
• [学会発表] 液晶性環状アゾベンゼンの光機能 (2012)
  • 著者名/発表者名: 内田江美、則包恭央、阿澄玲子、榊浩司、中村優美子、平井友樹、秋山陽久、吉田勝
  • 学会等名: 2012年日本液晶学会討論会
  • 発表場所: 千葉大学西千葉キャンパス
  • 年月日: 2012-09-05
• [学会発表] Physical and photochemical properties of macrocyclic azobenzenes (2012)
  • 著者名/発表者名: 則包恭央
  • 学会等名: International Conference of Photopolymer Science and Technology (ICPST)
  • 発表場所: 千葉大学西千葉キャンパス
  • 年月日: 2012-06-29
• [学会発表] Photochromic Materials that Liquefy upon Irradiation by Light (2011)
  • 著者名/発表者名: 則包恭央、榊浩司、中村優美子、阿澄玲子、平井友樹、吉田勝
  • 学会等名: 第60回高分子討論会
  • 発表場所: 岡山市
  • 年月日: 2011-09-29
• [学会発表] 大環状アゾベンゼンの光異性化を活用した結晶-液体相転移 (2011)
  • 著者名/発表者名: 則包恭央、榊浩司、中村優美子、阿澄玲子、平井友樹、吉田勝
  • 学会等名: 2011年光化学討論会
  • 発表場所: 宮崎市
  • 年月日: 2011-09-07
• [学会発表] 光で溶ける有機材料 (2011)
  • 著者名/発表者名: 則包恭央、榊浩司、中村優美子、阿澄玲子、平井友樹、吉田勝
  • 学会等名: 2011年秋季第72回応用物理学会学術講演会
  • 発表場所: 山形大学小白川キャンパス
  • 年月日: 2011-08-30
• [備考] 平成25年度科学技術分野の文部科学大臣表彰 科学技術賞(研究部門)、文部科学省、吉田勝・秋山陽久・則包恭央、2013/04/16 受賞
• [備考]
  • URL: https://staff.aist.go.jp/y-norikane/index.html
• [産業財産権] 感光性アゾベンゼン誘導体 (2011)
  • 発明者名: 則包恭央
  • 権利者名: 独立行政法人産業技術総合研究所
  • 産業財産権種類: 特許
  • 産業財産権番号: 特許願2011-263292
  • 出願年月日: 2011-12-01