研究課題/領域番号 |
23760689
|
研究機関 | 新潟大学 |
研究代表者 |
佐々木 朋裕 新潟大学, 自然科学系, 助教 (40432067)
|
研究期間 (年度) |
2011-04-28 – 2014-03-31
|
キーワード | 超音波接合 |
研究概要 |
超音波ホーンと接合材,および接合材同士の相対運動に着目し,デジタル画像相関法を用いた相対運動解析を行った.デジタル画像相関法は,2つの画像間における輝度分布をもとに変位場を決定する手法であり,超音波接合中の材料を高速ビデオカメラで撮影することで,接合中における相対運動の時間的変化が計測できる.これにより,接合プロセス因子および接合材の機械的特性が接合中の相対運動に与える影響を調べた。 である. 試験片の挙動から,接合過程は(1)重ねられた2枚の板材の内,接合チップと接触する試験片(上側試験片)が接合チップと同じ周期で振動しながら振動方向に移動する接合過程I,(2)上側試験片の振幅が減少し,接合チップとの摩擦が大きくなる接合過程II,および(3)接合部全体(上側試験片および下側試験片)が塑性変形し,接合チップとともに振動する接合過程IIIから成ることがわかった.
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
デジタル画像相関法を用いた相対運動解析により,超音波接合における接合過程を明らかにした.23年度の研究成果は,研究発表1件,投稿論文1件として発表しており,研究は計画通り進展していると思われる.
|
今後の研究の推進方策 |
次年度は,デジタル画像相関法による相対運動解析に加えて,レーザースペックル干渉法を用いた変位解析を試みる.申請者はこれまでに本測定法を利用した研究を行っており,微小領域計測のための光学系を新たに作製する.2種類の変位計測法によって得られたデータを解析,統合し微視的領域における変形挙動を明らかにする.また,材料組織評価による接合領域の生成過程につても検討を行う.接合部を振動方向に対して平行および垂直に切断し,断面組織を光学顕微鏡およびSEMを用いて観察する.また,接合の初期段階において重要となる酸化被膜の状態を調べるため,X線マイクロアナライザおよびオージェ電子分光法を用いた接合界面の分析を行う.接合界面の結晶粒および塑性変形領域を光学計測により得られた相対運動および接合界面の変形挙動のデータと対応させながら,各接合プロセスにおける微細組織の変化を調べ,接合メカニズムを検討する.
|
次年度の研究費の使用計画 |
24年度の研究経費としては,異種材料接合用の金属試料,接合用部品,および継続して実験を行うための消耗品が含まれる.23年度における予算の使用状況はほぼ予定通りであり,24年度においても計画通り320000円の消耗品費を予定している.また,23年度の研究成果を国際会議(15th INTERNATIONAL CONFERENCE ON ADVANCES IN MATERIALS & PROCESSING TECHNOLOGIES)にて発表を予定しているための旅費が必要となる.さらに,論文投稿費用のための支出を予定している
|