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2012 年度 実績報告書

AFM解析による高分子膨潤ナノ粒子を鋳型としたナノ粒子規則配列手法の開発

研究課題

研究課題/領域番号 23760721
研究機関広島大学

研究代表者

山本 徹也  広島大学, 工学(系)研究科(研究院), 助教 (10432684)

キーワード高分子微粒子 / ミクロン粒子 / ソープフリー乳化重合 / AFM
研究概要

高分子膨潤微粒子を鋳型に利用して,基板上への微粒子規則配列構造の作製に取り組んだ所,基板への微粒子の吸着が困難であることが分かった。そこで高分子微粒子をミクロン化する技術を開発し,このミクロン粒子を鋳型あるいはコア-シェル構造化による微粒子の基板上への規則配列構造の構築を将来的な目標とするため,ソープフリー乳化重合法による高分子ミクロン粒子の合成方法の開発を試み,これに成功した。従来,ソープフリー乳化重合系において水溶性開始剤が用いられている所を油溶性開始剤に変え,また粒子凝集成長を促進させるために系に電解質を添加することで,最大20 μmの高分子微粒子が調製できる。添加する電解質の濃度と価数を変化させることで,0.5~20 μmまでの粒子径制御が可能である。油溶性開始剤を用いているのにも関わらず,ゼータ電位が-45 mVを示す分散安定性の高い高分子微粒子が合成できる点について考察したところ,使用するビニル系モノマー(例えばスチレンモノマー)に含まれるベンゼン環上のπ電子が関与している可能性があることが分かった。これはモノマーに含まれるベンゼン環上のπ電子密度を電気陰性度の高いフッ素を導入することで低下させて合成した微粒子のゼータ電位を測定した所,π電子密度が低下するに従い,ゼータ電位の絶対値が低下すること及びベンゼン環をシクロヘキサンに置換したモノマーやベンゼン環を有さないメチルメタクリレートモノマーを利用して合成した微粒子の表面電位が0に近いことから推定される機構である。ソープフリー乳化重合系で油溶性開始剤と電解質を用いることでミクロン粒子を合成する本手法は,従来の有機溶媒や界面活性剤を用いる分散重合法や懸濁重合法に比べて環境負荷が低いことが利点としてあげられ,今後量産化プロセスへの展開が期待される。

  • 研究成果

    (7件)

すべて 2013 2012 その他

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (4件) (うち招待講演 3件) 備考 (1件)

  • [雑誌論文] Synthesis of micron-sized polymeric particles in soap-free emulsion polymerization using oil-soluble initiators and electrolytes2012

    • 著者名/発表者名
      Tetsuya Yamamoto
    • 雑誌名

      Colloid and Polymer Science

      巻: 290 ページ: 1023-1031

    • DOI

      10.1007/s00396-012-2618-x

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Soap-free emulsion polymerization of aromatic vinyl monomer using AIBN2012

    • 著者名/発表者名
      Tetsuya Yamamoto
    • 雑誌名

      Colloid and Polymer Science

      巻: 290 ページ: 1833-1835

    • DOI

      10.1007/s00396-012-2807-7

    • 査読あり
  • [学会発表] AFMによる粒子物性評価とそれを 利用した湿式分級プロセスの開発2013

    • 著者名/発表者名
      山本徹也
    • 学会等名
      化学工学会 第78年会
    • 発表場所
      大阪大学豊中キャンパス
    • 年月日
      20130318-20130320
    • 招待講演
  • [学会発表] 微粒子化学工学と海外研修紹介2012

    • 著者名/発表者名
      山本徹也
    • 学会等名
      第6回 中四国若手CE合宿
    • 発表場所
      栗林山荘(高松市)
    • 年月日
      20121207-20121208
    • 招待講演
  • [学会発表] 粒子表面改質によるサイクロンの分離径制御2012

    • 著者名/発表者名
      東野元春, 山本徹也, 福井国博, 吉田英人
    • 学会等名
      2012年度粉体工学会春期研究発表会
    • 発表場所
      メルパルク京都
    • 年月日
      20120522-20120523
  • [学会発表] 粒子表面特性に基づいた分級操作と ミクロン粒子の調製2012

    • 著者名/発表者名
      山本徹也
    • 学会等名
      広島大学新技術説明会
    • 発表場所
      JST東京別館ホール
    • 年月日
      20120518-20120518
    • 招待講演
  • [備考] 広島大学 新技術説明会 「粒子表面特性に基づいた分級操作とミクロン粒子の調製」

    • URL

      http://www.jstshingi.jp/abst/2012/hiroshima/program.html

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公開日: 2014-07-24  

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