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2011 年度 実施状況報告書

マイクロ波照射による核化誘導現象の解明~核生成理論の新展開~

研究課題

研究課題/領域番号 23760724
研究機関兵庫県立大学

研究代表者

朝熊 裕介  兵庫県立大学, 工学研究科, 准教授 (40364038)

研究期間 (年度) 2011-04-28 – 2014-03-31
キーワードマイクロ波 / 核生成 / DLS
研究概要

まず、マイクロ波照射炉内をその場観察できるように、DLS(Dynamic light scattering)装置を組み込み、改良した。基礎データの蓄積や次年度の準備段階として、マイクロ波照射炉内で、界面活性剤を含んだナノ粒子(100nm)の運動挙動を観察した。界面活性剤が存在する状態での単分散ナノ粒子は、マイクロ波照射直後に一時的な凝集を引き起こすことがわかった。一方、界面活性剤の種類を変更することにより、初期に凝集しているナノ粒子にマイクロ波を照射させたところ、その直後に凝集した。また、マイクロ波出力や照射時間を変更し、その影響を調査したところ、照射時間が短く、高出力ほど、その凝集の影響が顕著であることを示した。つまり、マイクロ波照射出力、照射時間は微粒子の凝集にとって重要な因子であることを示した。これは、マイクロ波照射による核化誘導につながる理論の第一歩として有意義なデータである。以上より、今回の結果から、マイクロ波照射によって、粒子の表面状態の一時的なナノ改質が予想される。つまり、微粒子の周囲にある極性分子がマイクロ波によって強制回転されその誘電能力が減少し、粒子の表面電位の及ぼす範囲がマイクロ波照射によって狭くなることが予想された。最終的に、そのマイクロ波によるナノ粒子の運動挙動の制御法の確立が期待される。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

マイクロ波照射炉内ナノ粒子のその場観察装置を作成できた。また、ナノ粒子として粒子径が既知である標準粒子を用い、その測定結果により、従来未解明であったマイクロ波照射によるナノ粒子の運動挙動が観察できたことが意義深い。つまり、ナノ粒子などの微粒子はマイクロ波照射により凝集する方向に運動することを示した。

今後の研究の推進方策

昨年度は、装置の改良やマイクロ波中のナノ粒子の挙動に関する基礎データの蓄積に注力した。今年度は、実際の核生成を観察することを目的とする。つまり、過飽和状態の無期結晶の水溶液に対してマイクロ波を照射し、溶媒和クラスターの表面改質から、核化誘導を引き起こすと考えられ、昨年度に確率した観察手法を用い、核生成理論の展開を目指す。

次年度の研究費の使用計画

マイクロ波照射炉内その場観察に関する光学機器(レンズ、レーザー等の光源、光学ステージ、マイクロメーター他)。消耗品として、光学セルや薬品類。国際会議における成果公表および論文投稿費、学会発表登録費、英文校正費、別刷り代など。なお、3月31日までに納品済みで支払いが4月になったため残額が発生している。

  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] マイクロ波照射中のその場観察によるナノ粒子の運動挙動

    • 著者名/発表者名
      朝熊裕介
    • 学会等名
      化学工学会
    • 発表場所
      工学院大学(東京都)
    • 年月日
      2012年3月19日

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公開日: 2013-07-10  

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