最も豊富なバイオマスであるセルロースを効率的に分解して化学原料であるグルコースを合成できれば意義深い。本研究では、活性炭がセルロースを加水分解できることを見いだし、その詳細について検討した。 様々な炭素を触媒に用いてセルロースを加水分解した結果、含酸素官能基の量が多い炭素ほど活性が高いことが分かった。炭素触媒とセルロースの接触を改善する前処理を開発し、最適化した条件でグルコース収率88%を達成した。 反応機構の検討から、まず炭素とセルロースは疎水性で吸着し、次に炭素の酸素官能基がセルロースの水酸基と水素結合を形成することで基質認識し、続いてカルボキシル基がグリコシド結合を切断することが示唆された。
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