研究課題/領域番号 |
23760735
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
原 賢二 北海道大学, 触媒化学研究センター, 准教授 (10333593)
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研究期間 (年度) |
2011-04-28 – 2013-03-31
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キーワード | 触媒 / 単分子層 / ロジウム / 銅 / イソシアニド / 金 / 表面 / 水素化 |
研究概要 |
本研究では、種々の特異な機能を発現する触媒反応場を構築する手法を確立することを目的として、触媒活性中心に隣接して触媒反応場を規定する分子を表面上に導入した種々の混合単分子層を形成する。次に、触媒活性中心と触媒反応場を規定する隣接分子の種類および両者の組成が触媒機能に与える相関を得る。 単分子層の形成には、金表面上のアルカンチオール単分子層およびジイソシアニド単分子層を主に用いた。 通常困難な選択性を発現する触媒反応場構築を目指して、反応点から離れた位置の分子構造の選別に取り組んだ。すなわち、反応基質の反応点から離れた位置の分子構造の差異を選別する触媒反応場の構築手法を開発した。その結果、アルキンのヒドロシリル化反応において、高密度ロジウム錯体単分子層触媒の系では、反応点から離れた位置の置換基(ベンゼン環上パラ位の置換基)の違いによって反応の進行度が非常に大きく異なった。一方で、対照実験として行った均一系触媒の系ではこのような差異は全く確認されなかった。 また、より多くの触媒反応への適用を目的として、ジイソシアニド銅錯体単分子層を金表面上に形成することに着手した。銅の前駆体の種類、調製時間等の検討を種々行い、高密度な銅錯体単分子層の形成を示唆する結果を得た。構造解析は、X線光電子分光法(XPS)およびX線吸収微細構造(XAFS)解析法により行った。作製した錯体単分子層が特徴ある触媒として機能する反応系を精査した結果、C-H結合の切断を伴う反応において高い触媒能が確認された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
交付申請書記載の「研究の目的」に相当する研究の実施および成果の取得が行えたため。
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今後の研究の推進方策 |
研究計画通りに、表面上に隣接する構成ユニット間での協奏的な触媒機能を鍵とする触媒反応の開発を実施する。
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次年度の研究費の使用計画 |
研究計画通りに、研究の遂行に必要な消耗品・試薬等の購入、および、学会参加のための旅費として使用する。H23年度に購入した消耗品(ガスタイトシリンジ固定針およびISV-722ケース付標準板)の支払いにも使用する。
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