研究概要 |
本研究ではGM1構造を基盤とした非天然型糖脂質の化学合成を行い、アミロイドベータとの複合化における糖鎖の構造による影響を解明することを目的とする。本年度は、ガングリオシドGM1の構造をベースにした非天然糖脂質の合成をおこなった。特に糖脂質の親水部となる4糖の合成をおこなった。GalGalNAcとGalGlc間のグリコシル化を中心に検討した。還元末端側のGalの3位の位置で導入を行う。プロパルギルブロミドを用いて3位の水酸基にアルキンを導入し、他の水酸基をすべてアセチル化した後、Galに、Gal, GalNac, Glcをそれぞれ結合し直鎖4糖を調製する。Glcの1位にセラミド(スフィンゴ脂質)を結合することで、親水部のGalにクリック反応部位を提示したGM1類似非天然型糖脂質の骨格が形成されると考えた。GalGalNAcの水酸基をベンジル基で保護し、GalGlcの水酸基はアセチル基で保護した。GalGlcのシアル酸結合部位は、クリック反応におけるアルケンの導入部位となるためこの部位の水酸基だけTBDMSを用いて保護を行った。GalGlcのGlcのアノマーをイミデートにより活性化し、グリコシル化をおこなった。しかし、反応収率が極めて低いことがわかった。TBDMSがかさ高いことから、グリコシル化反応が阻害されたと考えられた。そこで、ほかの大きさの異なる保護基を検討しグリコシル化を検討している。
|