研究課題
本課題では超小型衛星の簡易軌道決定システムを確立し、国際ネットワーク軌道決定システムの実験を実施する。低コストかつ導入が簡易な装置を製作し、国内外の様々な機関に導入してネットワーク運用することで、定期的に衛星軌道を世界に公開し共有できるシステムが実現する。H25年度の当初計画は、a) 435MHz帯受信装置について機能改善、b) ネットワークによるデータ処理システムの稼働実験と安定性改善、c) 60cm口径のS帯受信アンテナを国内外の既存局に持ち込んで、軌道決定能力を評価、の3点である。予算の制約から、H24年度に計画していた3局同時観測の再試行は実施できなかった。実際に使用した予算は、S帯信号(2285GHz)をUHF帯信号(435MHz)にダウンコンバートする装置2式と付属する消耗部品であり、東北大学(仙台市)とスウェーデンの既存地上局(各2.4m口径S帯受信設備)に配置しての世界2局同時観測システムの構築に注力した。2013年10月より半年間の長期稼働を開始し、安定して無人運用可能なシステムの構築を達成した。この過程で、計画a)b)を達成し、運用解析ソフトウェアの安定性は格段に向上した。一方で、予算の制約から、計画c)の小型モバイルアンテナによる実験を、既存アンテナ局での実施に変更した。本課題で開発したシステム(集録装置および運用解析ソフトウェア)を使用し、各施設・各機関の状況に応じてアンテナ方式(小型モバイルアンテナ、60cm口径S帯アンテナ、2.4m口径S帯アンテナ)を選択することで、国際的ネットワーク軌道決定システムが実現可能であることを明確化した。
すべて 2014 2013
すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (1件)
Transactions of the Japan Society for Aeronautical and Space Sciences, Aerospace Technology Japan
巻: (掲載決定)