研究課題
試験体表面に生じる、あらゆる非定常現象をとらえるPSP計測法の確立を大目的とする。特にその中で、大きな課題となる温度依存性を軽減し、非定常運動する試験体に対して、計測可能な表面圧力計測法の研究開発を目的とした。本研究では、坂上が提唱する非定常面計測法(若手研究B、課題番号21760660)を土台とした。これは同一の温度依存性に調整した2種類の発光色素による2色発光非定常PSPからの発光画像を、青、緑、赤領域に波長感度を持つ高速カラーカメラを用いて取得する方法である。圧力に依存しないリファレンスとなる発光画像(緑画像)と圧力に依存するシグナル画像(赤画像)の比を取ることで、シグナル画像のみの計測に比べ、温度依存性による発光変化を軽減した画像計測が可能となる。本研究ではリファレンスの発光色素としてフルオロセインを、圧力に依存する発光色素としてルテニウム錯体を選択した。これらを高速応答性を有する陽極酸化皮膜にディッピング法により適用し、2色発光非定常PSPを開発した。このPSPをコーティングした模型を温度依存性が顕著に現れる極超音速風洞で試験することにより、本計測法の実証試験を行った。シグナルとなるルテニウム錯体からの発光画像のみで計測した場合(強度法)に比べ、本計測法は43%の温度依存性軽減に成功した。また、本計測法の特徴である、試験体が移動している際の圧力分布の計測にも成功した。サンプル試験では、計測する発光波長範囲を選択することにより、温度依存性がキャンセルになることが示された。
すべて 2013 2012
すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件) 学会発表 (2件) 図書 (2件)
Journal of Applied Physics
巻: 113 ページ: 084901
10.1063/1.4792761
Sensors and Actuators A: Physical
巻: 184 ページ: 128 – 133
10.1016/j.sna.2012.06.033
Journal of Luminescence
巻: 132 ページ: 256 – 260
10.1016/j.jlumin.2011.09.021