今後の研究の推進方策 |
1,遅れている小型機関の燃焼,排気性能測定実験を行う.平成24年度当初の予定では23年度に故障した窒素酸化物(NOX)濃度計測は行わず,ボッシュ式煙濃度計をオパシメータに置き換え,煙濃度ではなくPM濃度を計測,また炭化水素(HC),一酸化炭素(CO),二酸化炭素(CO2),酸素(O2)濃度の計測を行う予定であった.しかし,平成25年11月までに5成分(全炭化水素(THC),NOX,CO,CO2,O2)排ガス測定装置が導入される予定である.特にTHCの計測は加熱型水素炎イオン化法を採用しているため,当初予定していた装置(加熱型の計測器でないため)で計測できない高沸点成分のHCを計測できるようになる.そのため排ガス測定装置が導入されるまでは筒内圧力解析を中心とした実験を行い,導入後は筒内圧力解析の結果を基に排気性能の計測を行い,燃焼特性と排気性能の関係を明らかにすることを目指す.また,小型機関の燃焼室内や排気弁まわりのデポの堆積状態を調査を行う. 2,中型機関の実験が再開できるよう準備を行う.平成24年度に発生した中型機関の不具合のうち,水動力計に関する問題はいまだ解決できておらず,現在は研究に使用できない状態にある.この問題は水動力計が設置後30年以上経過しているためケース内部が錆等により汚れ,動作がスムーで無くなった事が原因と推測される.ただ,この装置は大型であるため移動が困難であり,精密な機械であるため専門業者に修理を頼まなくてはならず,修理を行うにも費用が非常に高額となる.本校の業務にも必要不可欠な装置のため修理等の予算措置がなされるよう働きかけているところであり,今後もそれを続けていく. 3,蒸発皿実験を行う.あくまで補助的なものとして1の実験で特異な状況が確認できた場合,その状況を確認するために行うものとする.
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次年度の研究費の使用計画 |
平成23および24年度の直接経費の合計2,400,000円のうち24年度に納入された筒内圧力センサ,燃焼圧解析パッケージ,オパシメータ等で1,195,320円を使用し,残金は1,204,680円となる.残金に平成25年度の直接経費700,000円を加えると合計1,904,680円となる.このうち25年度に導入されるガス分析器装置のガス等消耗品に400,000円を予定,筒内圧力センサ用チャージアンプ・燃料流量計(設備備品費)に750,000円,燃料費および乳化剤,機関の部品,消耗品,改造等に必要な資材等に554,680円,旅費および論文投稿費と別刷り,印刷費に200,000円を予定している.
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