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2011 年度 実施状況報告書

気相・気泡ハイブリッドモデルによる混相流シミュレーション手法の開発

研究課題

研究課題/領域番号 23760787
研究機関独立行政法人海上技術安全研究所

研究代表者

大橋 訓英  独立行政法人海上技術安全研究所, その他部局等, 研究員 (10462871)

研究期間 (年度) 2011-04-28 – 2013-03-31
キーワード混相流 / 数値流体力学
研究概要

船底より気泡を吹き出す空気潤滑法は、船体へ付加する突起物を必要とせず、かつ、船体抵抗の大半を占める摩擦抵抗の低減量が大きいため、実船への適用も始まった。一方で、気泡の吹き出し方を変え、吹き出された空気と船体周り流れの干渉を含む二相流れを解析し、抵抗低減量を精度良く推定できる手法は確立されておらず、早急な解決が必要とされており、安定かつ実用精度を有する流場シミュレーション手法として、気相・気泡を含む二相流れモデルを構築するため、モデル開発のベースとなる気液二相流ソルバーを開発した。海上技術安全研究所で開発中の、船体周り流れに対し精度・実績を有している非圧縮性に基づくソルバーを、気液二相に拡張するため、気液二相の混相流は体積率に基く気液混相一流体として扱い、流場を計算した。具体的には、本ソルバーは擬似圧縮性に基づき圧力と流場をカップリングしており、同手法に密度、動粘性係数を変数として新たに加えた。密度と動粘性係数は、空気と水の密度と動粘性係数から体積率で定義した。体積率の移流方程式は、界面捕獲に優れたレベルセット法とVOF法を組み合わせる手法により解いた。VOF法での気相の移流方程式、レベルセット関数の移流方程式を解き、レベルセット関数が得られたら、質量保存則を満たすようVOF法で求めた体積率により補正した。空気を吹き出す境界条件を加え、今後、計算結果については、既存の計測結果・計算結果と比較する。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

気相・気泡を含む二相流れモデル開発のベースとなる、「VOF+レベルセット法」による界面追跡法と、体積率を介し、気液二相を混相一流体として扱い、保存則を満たした、気液二相の界面を精度よく推定できる気液二相流ソルバーを開発し、初年度の目的を達成した。

今後の研究の推進方策

今後は、気泡モデルを開発し、既開発の「VOF+レベルセット法」とのハイブリッドモデルを構築する。気泡モデルの運動方程式は支配的要素のみを考慮し、人為的パラメータは可能な限り除く。吹き出された気泡を効率良く追跡する手法として、気泡軌跡を計算する分散相モデル等を適用する。気泡数はハイブリッドモデルに適した数とし、計算格子セル内の気泡から体積率を導出し、VOF法での気相の移流方程式に時間微分項として付加する。気相の体積率の移流方程式とレベルセット関数の移流方程式も解いたあと、気相の体積率に基づきレベルセット関数を補正する。導出した体積率に基づき、混相のナビエ・ストークスの式を解く。以上により、気泡・気相のハイブリッドモデルに基づく、シミュレーション手法を構築する。また、海上技術安全研究所で行われた空気潤滑法に関する実験データ及び公表文献等の計測・計算結果によりモデルを検証する。

次年度の研究費の使用計画

気泡・気相ハイブリッドモデル開発のための計算ノードを追加する。国内旅費は国内学会参加等に使用する。外国旅費の使途として、主に研究発表等を予定している。

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公開日: 2013-07-10  

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