研究課題/領域番号 |
23760802
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研究機関 | 地方独立行政法人大阪府立産業技術総合研究所 |
研究代表者 |
舘 秀樹 地方独立行政法人大阪府立産業技術総合研究所, その他部局等, 研究員 (60359429)
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キーワード | リサイクル / 接着剤 / 粘着剤 / 易剥離 / 解体性材料 |
研究概要 |
近年、リサイクルや資源の有効利用の観点から、使用後の製品を容易に解体する解体性技術が注目を集めている。光や熱などの外部刺激により粘着力が低下する刺激応答性易解体性粘着剤は、刺激を与えない状態では一定の粘着力を有するが、刺激を与えることで粘着力が短時間で著しく低下し、容易に剥離することが可能となる。本研究では光や熱などの刺激に応答し活性種を生成する潜在性化合物と、活性種をトリガーとして分解反応を引き起こす粘着性ポリマーを組み合わせ、刺激応答性易解体性粘着剤の開発を目的とする。 本年は昨年度に引き続き、ポリウレタン系易解体粘着剤の最適化を行うと共に、ポリアセタール系易解体粘着剤を新規に開発し、その最適化を行ってきた。ポリアセタール型易解体粘着剤は一段階で合成が可能であり、初期粘着強度も10〜11N/20mmと高いものを作成することができた。熱酸発生剤を加え加熱することで、粘着強度を0N/20mmに低下させることができた。また、新たなトリガーとして超音波照射に着目した易解体粘着剤の開発を進めているところである。具体的には金属微粒子含有粘着剤を作製し、超音波照射に伴う粘着強度変化について測定を行っている。粘着剤膜厚、金属粒子の種類、サイズ、量等を調整することで、超音波照射により粘着強度を減少させることに成功した。さらに、超音波照射により内容物を徐放可能なマイクロカプセルの合成に着手した。今後、それぞれ条件決定や最適化を行い、超音波照射により易解体可能な粘着剤の開発を進める。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本年は昨年度に引き続き、ポリウレタン系易解体粘着剤の最適化を行うと共に、ポリアセタール系易解体粘着剤を新規に開発し、その最適化を行ってきた。ポリアセタール型易解体粘着剤は一段階で合成が可能であり、初期粘着強度も10〜11N/20mmと高いものを作成することができた。この粘着剤は熱酸発生剤を加え加熱することで、粘着強度を0N/20mmに低下させることができた。また、新たなトリガーとして超音波照射に着目した易解体粘着剤の開発を進めているところである。金属微粒子含有粘着剤は、粘着剤膜厚、金属粒子の種類、サイズ、量等を調整することで、超音波照射により粘着強度を減少させることに成功した。
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今後の研究の推進方策 |
当初の研究計画に対し、概ね計画通りに進行している。次年度は既開発のポリウレタン型およびポリアセタール型易解体粘着剤の発表を積極的に行うと共に、超音波照射により易解体可能な粘着剤の開発を進め性能向上を行っていく。
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次年度の研究費の使用計画 |
次年度使用額(490円)については、残額が小額であり、物品費・旅費などで使用することが出来なかった。そのため、残額に次年度に繰り越して使用する。次年度も消耗品を中心に研究費を使用する。超音波剥離可能な粘着剤の開発にあたり、超音波端子、発信子ならびに電源の購入を予定している。また、研究成果について、学会発表を複数行うため、その旅費および参加費、さらに、論文投稿を予定しておりその費用を計上する。使用計画については当初の申請どおりである。
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