研究課題
本研究課題は,磁化プラズマの抵抗性磁気流体力学的(MHD)安定性問題に対する代表的方法論の1つであった漸近接続法(境界層理論)が適用不可能または現実的に困難な状況があることを指摘し,それらの困難を除去することができる,当該研究者等が開発した新しい接続解法を更に発展させるものである.これまでに,新しい方法論の利点が生かされる状況の1つとして,有限Larmor半径効果を含めたモデルへの拡張を行い,研究成果を国際的な論文誌に発表すると共に学会等でも発表した.また,接続解法の外部解としては理想MHDモデルの定常解を用いるが,これを非正準Hamilton力学系の理論を利用して求める方法を新たに開発した.本方法によれば,従来の標準的な方法では求められないような流れをもつ定常解や,3次元的で磁力線がカオス的になる定常解も求めることが可能である.この理論と数値シミュレーションによる実証は,査読付論文として国際的な論文誌に発表し,また学会等で成果発表を行った.さらに,Hamilton力学系の性質を保持する数値シミュレーションを目指し,まずは有限自由度の質点力学で新しいアルゴリズムを開発し精度検証を行った.この成果は学会等で発表した.なお,これらの成果発表で投稿中の論文があり,また新しい接続解法のトロイダルプラズマへの適用については外部解の計算コードがほぼ完成したが,未開発の部分を完了して成果発表するために,平成27年度に研究機関延長を行った.
3: やや遅れている
本研究課題を進める中で,関連して重要と認識した事項について,論文・学会発表を多数行うなど,研究が進んでいる一方,新しい接続解法のトロイダルプラズマへの適用は未開発部分が残っているため.
新しい接続解法のトロイダルプラズマへの適用を完了する.定式化は完了しているので,未完了部分のコード開発を早急に行う.また,関連して進んだ研究についても,更なる成果が出るよう研究を進める.特に,非正準Hamilton系を利用したMHD定常解のシミュレーションについては,学術的にも大変重要と考えられるので,重点的に進める予定である.
本事業による研究成果を論文誌に投稿したが,掲載時期が平成27年度になる可能性があった.また,研究計画で未完了の部分があり,それを完了したときの研究成果発表費として使用する必要があるため,研究機関延長申請をして当該費用を残した.
論文の掲載費と,学会等での成果発表費用に用いる.
すべて 2015 2014
すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件、 謝辞記載あり 2件) 学会発表 (10件) (うち招待講演 1件)
Physics of Plasmas
巻: 22 ページ: 022511-1-10
http://dx.doi.org/10.1063/1.4913234
巻: 21 ページ: 082515-1-6
http://dx.doi.org/10.1063/1.4894105