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2011 年度 実施状況報告書

統合ダイバータモデルによる非接触ダイバータプラズマの制御研究

研究課題

研究課題/領域番号 23760817
研究機関独立行政法人日本原子力研究開発機構

研究代表者

星野 一生  独立行政法人日本原子力研究開発機構, 核融合研究開発部門, 研究員 (50513222)

研究期間 (年度) 2011-04-28 – 2014-03-31
キーワード核融合 / トカマク / ダイバータ / 熱・粒子制御 / 非接触ダイバータプラズマ / 統合ダイバータシミュレーション
研究概要

核融合炉における熱・粒子制御に対して非常に重要となる非接触ダイバータプラズマ形成の物理機構解明とそれに基づく制御手法確立のために、今年度は統合ダイバータコードSONICのモデル検証を中心に以下のとおり研究を進めた。(1)SONICコードで用いている境界条件や各種仮定についてJT-60U実験データを基に検討を行った。その結果、磁力線垂直方向の輸送がダイバータプラズマ分布に与える影響が非常に大きく、非接触ダイバータプラズマ特性が改善されることがわかった。しかし、輸送係数を大きくすると径方向分布が平坦になりすぎ、実験データと矛盾してしまう。そこで、プライベート領域のみで輸送係数を大きくしたところ、スクレイプオフ領域のプラズマ分布は実験データを再現しつつ、非接触ダイバータプラズマ特性を改善できることがわかり、プライベート領域の輸送が非接触ダイバータプラズマ形成に対して非常に重要であることがわかった。これに加えて、プライベート領域の境界条件の改善および壁排気効果を考慮することで、相乗効果により非接触ダイバータプラズマ特性がさらに改善され、実験データに近づく。次年度は、コード間ベンチマークの結果も考慮しながら、プライベート領域の輸送モデルの改良を行い、非接触ダイバータプラズマ形成の物理機構について検討する。(2)物理モデル・仮定の違いによる非接触ダイバータプラズマ特性への影響をより詳細に理解するために、欧州で開発されたSOLPSコードとのコード間ベンチマークの準備をすすめた。23年度に購入したワークステーションへSOLPSコード導入し動作確認を行うと共に、SONICコードのシミュレーション結果と直接比較できるように、数値メッシュ情報、プラズマ分布等をSONIC形式からSOLPS形式へ変換するプログラムを整備し、次年度から本格的に行うコード間ベンチマークに備えた。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

当初予定していたJT-60U実験データに基づくSONICコードにおける非接触ダイバータモデルの検証については、おおむね順調に進展した。しかし、SONICコードとSOLPSコードとのベンチマークについては、東日本大震災の影響によりSOLPS実行用ワークステーションの購入時期が遅れたため、SOLPSコードの導入、テスト計算、SONICコードからのデータ変換ルーチンの整備までにとどまっており、本格的なコード間ベンチマークを開始することができなかった。

今後の研究の推進方策

24年度は、SONICコードとSOLPSコードとのベンチマークを行い、JT-60U実験データとの比較も交えながら、非接触ダイバータプラズマ形成に関係する物理モデルの妥当性・精度の検討および改良・追加を行い、非接触ダイバータプラズマのモデル精度向上を目指す。また、不純物輸送も非接触ダイバータプラズマに対して重要な要素であると考えられる。不純物輸送については、SONICコードではモンテカルロモデルにより、SOLPSコードでは流体モデルにより扱われていることから、ベンチマークにより不純物輸送に対する運動論的効果を明らかにし、非接触ダイバータプラズマ形成に対する影響を検証する。 また、25年度に予定している非接触ダイバータプラズマの制御手法の検討に備え、SONICコードの多種不純物への対応等、必要となるコードの改良に着手する。

次年度の研究費の使用計画

研究成果を発表しダイバータプラズマモデリングについて国内外の専門家と討論・情報交換を行うため、国内学会2件(参加費含む300千円)に参加する。また、シミュレーション結果の解析および学会発表資料作成用にPC一式(400千円)を購入予定。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2011

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (2件)

  • [雑誌論文] Improvement of the detachment modelling in the SONIC simulation2011

    • 著者名/発表者名
      K. Hoshino, K. Shimizu, T. Takizuka, N. Asakura, T. Nakano
    • 雑誌名

      Journal of Nuclear Materials

      巻: 415 ページ: S549-S552

    • DOI

      10.1016/j.jnucmat.2011.01.003

    • 査読あり
  • [学会発表] Simulation Study of an Extended Divertor Leg for Heat Control in SlimCS DEMO Reactor2011

    • 著者名/発表者名
      K. Hoshino, K. Shimizu, N. Asakura, T. Takizuka, M. Nakamura, K. Tobita
    • 学会等名
      13th International Workshop on Plasma Edge Theory in Fusion Devices
    • 発表場所
      Embassy Suites Hotel (South Lake Tahoe, California USA)
    • 年月日
      9 September 2011
  • [学会発表] SONICシミュレーションにおける非接触ダイバータモデルの検討2011

    • 著者名/発表者名
      星野一生、清水勝宏、中村誠、滝塚知典、朝倉伸幸、仲野友英
    • 学会等名
      Plasma Conference 2011
    • 発表場所
      石川県立音楽堂(石川県金沢市)
    • 年月日
      2011年11月24日

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公開日: 2013-07-10  

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