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2012 年度 実施状況報告書

統合ダイバータモデルによる非接触ダイバータプラズマの制御研究

研究課題

研究課題/領域番号 23760817
研究機関独立行政法人日本原子力研究開発機構

研究代表者

星野 一生  独立行政法人日本原子力研究開発機構, 核融合開発部門, 研究員 (50513222)

キーワード核融合プラズマ / トカマク / ダイバータ / 非接触ダイバータプラズマ / 統合ダイバータシミュレーション
研究概要

核融合炉における熱・粒子制御に対して非常に重要となる非接触ダイバータプラズマの物理機構解明とそれに基づく制御手法確立のために、今年度は統合ダイバータコードSONICの改良とベンチマークを中心に以下のとおり研究を進めた。
(1)プライベート領域側境界条件の改良、不純物の電離により生成された電子による輸送への寄与、等のモデル改良の結果、高炉心密度に伴うダイバータ粒子束の低減がより顕著に起こるようになった。ダイバータにおける電子温度は1eVを下回っており、従来から考えられてきた体積再結合によるイオン粒子の消失が主な原因と考えられる。
(2)SONICコードと欧州で開発されたSOLPSコード、さらにJT-60U実験データベースを用いてベンチマークを開始した。SONICコードで得られたダイバータ粒子束の減少傾向は実験データと定性的に一致する。しかし、実験では非接触ダイバータプラズマの開始時には電子温度は10eV以上あると考えられ、SONICで見られる体積再結合が主な原因となる非接触化とは一部形成機構が異なる可能性がある。一方、SOLPSコードでは、電子温度は実験と同程度で10eV以上でありながら非接触化が始まっており、非接触ダイバータプラズマ形成機構は実験に近いと考えられるが、定量的には5倍以上粒子束が大きい。次年度、より詳細に結果の比較を行い、非接触ダイバータプラズマ形成機構を明らかにし、その制御手法について検討する。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

モデル改良が順調に進み、これまで再現が難しかった非接触ダイバータプラズマ発現によるダイバータ粒子束の低減について改善することができた。また、ベンチマークについても、炉心密度をパラメータとした系統的な比較が進展した。

今後の研究の推進方策

24年度に引き続き、より詳細にベンチマーク作業を進め、非接触ダイバータプラズマの物理機構を明らかにしていく。
25年度後半には、それまでに得られた知見を元に、非接触ダイバータプラズマの制御手法の検討に着手する。

次年度の研究費の使用計画

研究成果の発表及びダイバータプラズマモデリングの専門家との討論・情報交換のため、国際会議及び国内学会に参加する。

  • 研究成果

    (6件)

すべて 2012

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (4件)

  • [雑誌論文] Simulation Study of an Extended Divertor Leg for Heat Control in SlimCS DEMO Reactor2012

    • 著者名/発表者名
      K. Hoshino, K. Shimizu, N. Asakura, T. Takizuka, M. Nakamura, K. Tobita
    • 雑誌名

      Contributions to Plasma Physics

      巻: 52 ページ: 550-554

    • DOI

      10.1002/ctpp.201210048

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Effects of Radial Losses of Particle and Energy on the Stability of Detachment Front in a Divertor Plasma2012

    • 著者名/発表者名
      S. Togo, M. Nakamra, Y. Ogawa, K. Shimizu, T. Takizuka, K. Hoshino
    • 雑誌名

      Plasma and Fusion Research

      巻: 7 ページ: 2401088

    • DOI

      10.1585/pfr.7.2403087

    • 査読あり
  • [学会発表] SONICとSOLPSによるJT-60U非接触ダイバータプラズマモデリング2012

    • 著者名/発表者名
      星野一生、清水勝宏、滝塚知典、中村誠
    • 学会等名
      プラズマ・核融合学会 第29回年会
    • 発表場所
      福岡県春日市
    • 年月日
      20121127-20121130
  • [学会発表] 不純物輸送におけるドーム下からの逆流モデル2012

    • 著者名/発表者名
      清水勝宏、星野一生、川島寿人、滝塚知典
    • 学会等名
      プラズマ・核融合学会 第29回年会
    • 発表場所
      福岡県春日市
    • 年月日
      20121127-20121130
  • [学会発表] Effects of Neutral Particles on the Stability of Detachment Fronts in Divertor Plasmas2012

    • 著者名/発表者名
      S. Togo, M. Nakamura, Y. Ogawa, K. Shimizu, T. Takizuka, K. Hoshino
    • 学会等名
      22th International Toki Conference
    • 発表場所
      Toki, Gifu, Japan
    • 年月日
      20121119-20121120
  • [学会発表] Numerical analysis of tungsten erosion at the plasma facing surface in DEMO Reactor2012

    • 著者名/発表者名
      K. Hoshino, M. Toma, K. Shimizu, N. Asakura, K. Tobita, A. Hatayama, T. Takizuka
    • 学会等名
      20th international conference of Plasma Surface Interactions
    • 発表場所
      Aarchen, Germany
    • 年月日
      20120521-20120525

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公開日: 2014-07-24  

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