研究概要 |
本研究課題で開発を目指すレーザー駆動陽子線による生物照射装置において、照射効果をより正確に評価するためには、陽子線を生体サンプルに照射しながら同時に照射線量を測定できる透過型の検出器が必要不可欠となる。そこで今年度では、レーザー駆動により発生するイオンビームの線量とパルス時間幅を測定できる手法として、厚さ0.5mmのシンチレータのサイド面からイオン検出信号を波長変換ファイバーを用いて読み出す検出器を新規に開発した。この検出器は兵庫県立粒子線医療センターに設置されたシンクロトロン加速器からの陽子線(80 MeV)による照射試験を行い、時間波形測定の動作確認に成功した。 また、レーザー駆動イオン照射による生物応答研究に関して得られた成果をまとめて、原著論文1編[A. Yogo et al., Jpn. J. Appl. Phys. 50 (2011) 106401]、レビュー論文1編[余語覚文 J. Plasma Fusion Res. 88 (2012) 25]、国際会議における招待講演1編[SPIE Optics + Optoelectronics 2011, Apr. 18-21, 2011, Prague, Czech Republic]、国内学会での口頭発表2編(原子力学会、日本物理学会)において発表を行った。また、レーザー駆動イオン加速機構に関する研究でレーザー学会業績賞(論文賞)を受賞するとともに、レーザー駆動イオン加速とその生物応用研究で日本物理学会若手奨励賞を受賞した。
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