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2011 年度 実施状況報告書

広い波長域の光を吸収するコンバインド光触媒の二酸化炭素改質性能向上とその機構解明

研究課題

研究課題/領域番号 23760845
研究機関三重大学

研究代表者

西村 顕  三重大学, 工学(系)研究科(研究院), 助教 (60345999)

研究期間 (年度) 2011-04-28 – 2013-03-31
キーワードCO2 / 光触媒 / 反応工学 / 環境工学
研究概要

本研究では、TiO2光触媒のCO2改質性能向上、特にH2製造性能向上を主目的として、吸収光波長域の異なるCrとCuをCO2からのH2製造実績のあるPdに組み合わせてTiO2に担持することで、広範な波長光領域に応答するコンバインド光触媒の作製を目指した。ゾルゲル・ディップコーティング法を用いて、Cr、CuならびにPdを担持したTiO2薄膜を網目状繊維基材にコーティングした。そして、コーティング方法の確立、CO2改質性能・可視光応答性の評価、ならびに基材を重ね合わせることによるCO2改質性能向上の効果の有無の確認を行った。その結果、以下のことが明らかとなった。(1)SEM、EPMAを用いた定性分析の結果、全ての条件において網目状繊維基材上にTiO2/金属(Cr、Cu、Pd)薄膜がコーティングされており、本研究のゾルゲル・ディップコーティング法の手順でTiO2/金属(Cr、Cu、Pd)薄膜コーティングは可能であることが確認された。(2)バッチ式光触媒リアクターにてCO2改質実験を行った結果、紫外光を含む広波長域光照射条件では、Cu10wt%の条件でCO生成濃度が5118ppmVと最大になり、またCH4生成濃度は Al2O310wt%(内Pd5wt%)が1315ppmVで最大になった。可視光領域波長光照射条件では、Crの場合にCO生成濃度が102ppmVで最大になった。(3)複数の金属の吸収波長域を利用してさらなる改質性能向上を図る目的で、TiO2/金属(Cr、Cu、Pd)薄膜光触媒をコーティングした網目状繊維基材を重ねて改質実験を行った。重ね合わせる順番としてはCO生成濃度が最も高かったCu、還元性能の高かったPd、最後にCrの順に重ねた。その結果、各燃料種生成濃度はCOが1384ppmV、CH4が300ppmVとなった。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

これまでに作製実績のない網目状繊維基材へのTiO2薄膜のコーティングおよび金属担持に成功したのが大きな成果である。SEM、AFM等による表面観察により、網目状繊維基材にコーティングした場合特有の状態を理解することができた。また、網目状繊維基材に単一の金属を担持させたTiO2光触媒のCO2改質性能の評価が行えたことが大きな成果である。異なる担持金属種ごとにコーティング状態とCO2改質性能との相関を解明しつつあり、今後作製条件を変化させてCO2改質性能の向上を図る。 CO2改質性能の高いTiO2光触媒を作製するため、種々作製条件を変化させることができなかったのが、達成度としてやや遅れていると判断した理由である。加えて、複数の金属の吸収波長域を利用してさらなる改質性能向上を図る目的で、TiO2/金属(Cr、Cu、Pd)薄膜光触媒をコーティングした網目状繊維基材を重ねて改質実験を行ったが、思ったように高い性能が得られなかったのも達成度としてやや遅れいてると判断した理由である。

今後の研究の推進方策

CO2改質性能の向上を図るべく、網目状繊維基材にTiO2/金属(Cr、Cu、Pd)薄膜光触媒をコーティングする条件を種々変化させて、その変化させた条件の影響評価をSEM、AFM等による表面観察とCO2改質実験を中心に進めていく。また、複数種のTiO2/金属(Cr、Cu、Pd)薄膜光触媒をコーティングした網目状繊維基材の性能評価を重点的に行い、本研究のコンセプトである複数の金属の吸収波長域を利用したCO2改質性能向上の実現を目指す。

次年度の研究費の使用計画

次年度の研究費は主に、(1)TiO2/金属(Cr、Cu、Pd)薄膜光触媒作製費、(2)CO2改質実験装置製作費、(3)CO2改質実験実施費用、(4)研究成果発表・情報収集用旅費、(5)研究成果発表論文印刷費、などに使用する。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2012 2011

すべて 学会発表 (1件) 図書 (1件)

  • [学会発表] 銅円板および網目状繊維基材にコーティングした金属担持TiO2光触媒のCO2改質2012

    • 著者名/発表者名
      中村克也、藤田渉、西村顕、廣田真史
    • 学会等名
      化学工学会第77年会
    • 発表場所
      工学院大学
    • 年月日
      20120315-17
  • [図書] Planet Earth 2011 - Global Warming Challenges and Opportunities for Policy and Practice2011

    • 著者名/発表者名
      Akira Nishimura, Eric Hu (Editer: Elias G. Carayannis)
    • 総ページ数
      646
    • 出版者
      InTech - Open Access Publisher

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公開日: 2013-07-10  

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