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2012 年度 実績報告書

哺乳動物細胞におけるrDNAクラスター維持機構の研究

研究課題

研究課題/領域番号 23770009
研究機関国立遺伝学研究所

研究代表者

赤松 由布子  国立遺伝学研究所, 細胞遺伝研究系, 助教 (50381661)

キーワードリボソームRNA遺伝子 / DNA複製阻害
研究概要

多重遺伝子であるリボソームRNA(rRNA)遺伝子をコードするrDNAクラスターは、同じ塩基配列の大規模な繰り返し構造と、DNA複製フォークの進行阻害の頻発という問題をはらみ、異常な染色体再編成を誘発する領域であると考えられる。しかしそれにも関わらず、細胞は世代を通じてrDNAクラスターの構造を恒常的に保ち、rRNAを安定に供給する。rDNAクラスターの安定性維持機構の解明のため、転写終結点近傍に存在するReplication fork barrier(RFB)に注目し、RFBに必要なcis配列とタンパク質を決定するための実験を行った。RFBを含むDNA領域をEpstein-Barr virusのoriP配列を持つプラスミドにクローニングし、293EBNA細胞に導入、ヒト細胞内でエピソームとして複製を誘導しRFBを解析する実験系を構築した。この結果から、ヒトのRFBがrRNA遺伝子転写終結の下流にあるリピート配列、Sal variation repeatの中で起こることが明らかとなった。また、一方でSV40複製系を利用したアッセイでは、RFBの活性が見られなかった。このことは、rDNAのRFBが普遍的に複製を阻害するのではなく、内在的なDNA複製タンパク質との機能的相互作用がDNA複製フォークの進行阻害に重要な役割を果たすことを示唆している。以前から酵母では、DNA複製フォークの安定化に関与するTof1-Csm3複合体がRFBでの複製フォーク進行停止に重要であることが報告されていたので、Tof1のヒトホモログTimの関与を調べたところ、複数のRFBのうちの一部がTim依存的であることを見いだした。このことからrDNAクラスターでは、複数のメカニズムによりDNA複製フォークの進行を阻害し、活発な転写と複製フォークの衝突を回避していると考えられる。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2012

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] Rad51 presynaptic filament stabilization function of the mouse Swi5-Sfr1 heterodimeric complex.2012

    • 著者名/発表者名
      Shang-Pu Tsai
    • 雑誌名

      Nucleic Acids Research

      巻: 40 ページ: 6558-6569

    • DOI

      10.1093/nar/gks305

    • 査読あり
  • [学会発表] Characterization of the mammalian rDNA replication fork barrier2012

    • 著者名/発表者名
      Yufuko Akamatsu
    • 学会等名
      The 8th 3R Symposium
    • 発表場所
      Awaji Yumebutai International Conference Center, Japan
    • 年月日
      20121125-20121128

URL: 

公開日: 2014-07-24  

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