植物の個体全体の成長が葉の枯死に与える影響を解析した。1)オオオナモミを用いて、支持器官の呼吸速度が高い個体ほど葉寿命が長いことを明らかにした。これは「支持器官の呼吸コストが高い植物ほど葉寿命が短い」という従来の仮説を支持しない。2) ダイズを用いて、葉の枯死の制御には群落内の光環境、窒素獲得、若い組織の窒素要求が関与していることを明らかにした。これらの相対的重要性は植物の生育段階と大気CO2濃度によって変化した。3) 仮説「個体全体の炭素獲得が最大となるタイミングで葉が枯れる」の検証を行った。ダイズとイネでは、窒素の可給性に関わらず、最適タイミングよりも遅く葉が枯れていることを明らかにした。
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