本課題の目的は,マングローブ植物の周囲で窒素固定活性が高くなっていることを確認することと,マングローブ植物の近傍で窒素固定を行っている酵素が干潟土壌のものと同じか否かを検証することである.生育段階の異なるマングローブ植物(ヤエヤマヒルギ)の周囲の土壌窒素固定活性を測定したところ,樹木の生育ステージが進むにつれて土壌窒素固定活性が高くなっていることが明らかとなった.また,植物近傍の土壌と干潟土壌の窒素固定反応の活性化エネルギーを測定したところ,両者には明瞭な違いが見られた.以上より,マングローブ植物近傍と干潟では,窒素固定反応に関与している酵素の種類が異なっていることが確認された.
|