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2011 年度 実施状況報告書

硫黄同化系酵素や輸送体が構成する分子間相互作用ネットワークの解明

研究課題

研究課題/領域番号 23770036
研究機関千葉大学

研究代表者

吉本 尚子  千葉大学, 薬学研究科(研究院), 助教 (10415333)

研究期間 (年度) 2011-04-28 – 2014-03-31
キーワード植物 / 硫黄 / 代謝 / 輸送 / 分子間相互作用
研究概要

硫黄は動植物における多量必須元素であり、有機硫黄化合物は様々な生体活動を行うために不可欠である。植物は外部環境中の硫酸イオンを吸収し多様な有機硫黄化合物へと変換する硫黄同化系を有する。現在までに申請者らは、分子生物学的研究のモデル植物であるシロイヌナズナでは、活性や発現の特性が異なる複数の酵素アイソザイムが細胞内の複数のコンパートメント(オルガネラ)に分布して、硫黄同化を行っていることがを明らかにしてきた。各コンパートメントでは、複数の酵素や輸送体が相互作用してタンパク質複合体を構成し、それを機能の場とすることで、代謝反応を効率的に行っていると予想される。本研究では、植物の硫黄同化系に関わる酵素や輸送体タンパク質や未知タンパク質間の分子間相互作用ネットワークと、それにより生ずる代謝・輸送機能の協調作用や発現・活性調節を明らかにすることを目的とする。本年度は、外部環境からの硫酸イオン獲得を担う2種の異なる輸送体タンパク質が物理的に相互作用をすることを酵母スプリットユビキチンシステムを用いて明らかにした。これら2種の輸送体タンパク質を共発現する酵母の硫酸イオン輸送活性は、各々を発現する酵母の硫酸イオン輸送活性の和よりも顕著に高かった。植物生体内ではこれら2種の輸送体タンパク質がヘテロオリゴマーを構成することで高い硫酸イオン輸送活性を有することができると考えられる。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

解析対象にしている硫黄同化系に関わる酵素・輸送体タンパク質群のうち、2種の異なる輸送体タンパク質が物理的かつ機能的に相互作用をしていることを明らかにできたため。

今後の研究の推進方策

引き続き、解析対象にしている硫黄同化系に関わる酵素・輸送体タンパク質群の間に存在する分子間相互作用を生物学的、生化学的手法を用いて明らかにする。同定された相互作用に関しては、植物生体内における相互作用の生理学的意義を解析する。

次年度の研究費の使用計画

解析対象にしている硫黄同化系に関わる酵素・輸送体タンパク質群の間に存在する分子間相互作用とその生理学的意義の解明のために、生物学的実験、生化学的実験、生理学的実験が必要である。次年度の研究費は主に上記の実験を遂行するための試薬や消耗品の購入と、成果発表を行うための旅費に用いる。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2012 2011

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (2件)

  • [雑誌論文] Interplay of SLIM1 and miR395 in the regulation of sulfate assimilation in Arabidopsis.2011

    • 著者名/発表者名
      Cintia G. Kawashima et al
    • 雑誌名

      The Plant Journal

      巻: 66 ページ: 863-876

    • DOI

      10.1111/j.1365-313X.2011.04547.x.

    • 査読あり
  • [学会発表] シロイヌナズナの高親和型硫酸イオントランスポーター間相互作用による硫酸イオン輸送活性の調節2012

    • 著者名/発表者名
      吉本尚子
    • 学会等名
      第53回日本植物生理学会年会
    • 発表場所
      京都
    • 年月日
      2012年3月18日
  • [学会発表] Regulation of high-affinity sulfate transporters in Arabidopsis by sulfur nutrition.2011

    • 著者名/発表者名
      Naoko Yoshimoto
    • 学会等名
      Japan-Korea Joint Seminar on "Plant Biotechnology for the Next Generation"(招待講演)
    • 発表場所
      成田
    • 年月日
      2011年12月3日

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公開日: 2013-07-10  

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