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2012 年度 実施状況報告書

硫黄同化系酵素や輸送体が構成する分子間相互作用ネットワークの解明

研究課題

研究課題/領域番号 23770036
研究機関千葉大学

研究代表者

吉本 尚子  千葉大学, 薬学研究科(研究院), 助教 (10415333)

キーワード植物 / 硫黄 / 代謝 / 輸送 / 相互作用
研究概要

硫黄は動植物の生育に不可欠な多量必須元素である。植物は外部環境中の無機硫黄を吸収し、複数の酵素反応により多様な有機硫黄化合物に変換できる。植物が生合成する有機硫黄化合物群には、細胞内外の酸化還元反応や解毒反応に関与するものや、抗微生物活性やヒトにおける抗ガン作用や抗血小板凝集抑制作用など有益な生物活性を持つものが多く含まれる。本研究では、植物における硫黄の吸収・代謝に関わる輸送体や酵素群の同定をすすめ、それらの機能や相互作用を解明することで、植物の持つ複雑な有機硫黄化合物の生合成や代謝とその制御についての知見を得ることを目的としている。本研究により得られた知見は、将来的に有用な有機硫黄化合物を高生産する植物の人為的作出への応用が期待できる。本年度は、硫黄同化の初段階において無機硫黄の活性化を担う酵素遺伝子について過剰発現体における硫黄同化効率や硫黄代謝産物量を解析した。その結果、過剰発現体は無機硫黄の吸収速度が低下しているが有機硫黄代謝産物量には変化がなく、少量の無機硫黄を効率的に有機硫黄に変換することが示された。また、ネギ属植物に含まれる有機硫黄化合物であるアルケニルシステインスルホキシドの生合成におけるグルタミル基転移反応とS-酸化反応に関わると考えられる遺伝子群を単離した。これら遺伝子がコードする蛋白質を異種発現系を用いて作製し、in vitro反応系においてこれらの組換え蛋白質が生合成推定基質を推定生成物に変換できることを明かにした。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

硫黄同化の初段階を担う酵素を高発現した場合の硫黄同化効率や有機硫黄化合物生産性の解明と、ネギ属において特異的な硫黄二次代謝化合物の生合成へ関与すると考えられる酵素遺伝子群を新規に同定できたため。

今後の研究の推進方策

引き続き、硫黄同化および代謝に関わる酵素や輸送体群の機能解析や相互作用を含めた制御機構解析を生物学的手法や生化学的手法、生理学的手法を用いて行う。

次年度の研究費の使用計画

今年度は硫黄同化および代謝に関わる酵素や輸送体群の機能解析や相互作用解析を行うための生化学試薬や分子生物学試薬の使用量が予想よりも少なかったため、53,042円が未使用となった。次年度は、今年度の未使用分と次年度の研究費を合わせ、硫黄同化および代謝に関わる酵素や輸送体群の機能解析や相互作用を含めた制御機構の解明のための、生物学的実験、生化学的実験、生理的実験を行うための試薬や消耗品の購入と研究成果発表費用にあてる。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2013

すべて 学会発表 (2件)

  • [学会発表] ニンニクのアリイン生合成に関与するフラビン含有モノオキシゲナーゼ遺伝子の単離と機能解析2013

    • 著者名/発表者名
      吉本尚子
    • 学会等名
      日本薬学会第133年会
    • 発表場所
      横浜
    • 年月日
      20130327-20130330
  • [学会発表] ニンニクのS-酸化化合物生合成に関与する新規フラビン含有モノオキシゲナーゼ遺伝子の単離と解析2013

    • 著者名/発表者名
      吉本尚子
    • 学会等名
      第54回日本植物生理学会年会
    • 発表場所
      岡山
    • 年月日
      20130321-20130323

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公開日: 2014-07-24  

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