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2012 年度 実績報告書

植物の有限成長と無限成長を切りかえる分子機構の解析

研究課題

研究課題/領域番号 23770042
研究機関京都大学

研究代表者

小山 知嗣  京都大学, 生命科学研究科, 研究員 (90450668)

キーワード植物 / 遺伝子 / 発現制御 / 発生分化
研究概要

高等植物では、メリステムのような無限成長する組織から、葉や花などの有限成長する器官が生じる。これら2種類の成長を制御することが植物の体制維持機構の特色である。本研究では、無限成長から有限成長へ転換する分子機構を明らかし、その転換を遺伝子工学的に制御することを目的にしている。そのために、シロイヌナズナのTCP転写因子遺伝子ファミリーの欠失変異体が葉の縮れ形態とメリステム遺伝子の葉における異所発現誘導を示すことに着目し、TCP転写因子ファミリーの包括的な機能解析、ならびにそれらの下流遺伝子の解析を行ってきた。
本年度は、TCP転写因子の下流で機能するERFファミリー転写因子の機能を明らかにした。具体的には、相同な5つのTCP遺伝子が多重に破壊されたtcp変異体が老化遅延すること、ならびに転写抑制活性を示す相同なAtERF4とAtERF8がtcp変異体で遺伝子発現が減少することを明らかにした。さらに、それらERF遺伝子の過剰発現が葉の老化を促進すること、逆に、aterf4 aterf8二重変異体は葉の老化遅延を示すことを明らかにした。AtERF4とAtERF8の下流遺伝子を探索するために、遺伝子発現実験とクロマチン免疫沈降法などを用いて、AtERF4とAtERF8が老化の鍵制御遺伝子であるESP/ESR遺伝子を直接制御することを明らかにした。これらの解析からTCPを起点とし、ERF転写因子を介した葉の老化制御系の存在を明らかにし、葉の有限成長の最終段階において機能する情報伝達系の一端を解明することができた。
さらに、本年度は有用植物の成長転換制御の基盤として、タバコ光独立栄養細胞から確立された細胞株の形質転換系構築を目指し、コントロールであるGFPを本細胞株に再現性よく効率的に導入することができ、今後の研究へ展開可能な実験基盤を構築した

  • 研究成果

    (6件)

すべて 2013 2012

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (4件) (うち招待講演 1件)

  • [雑誌論文] A regulatory cascade involving class II ETHYLENE RESPONSE FACTOR transcriptional repressors operates in the progression of leaf senescence.2013

    • 著者名/発表者名
      Tomotsugu Koyama
    • 雑誌名

      Plant Physiology

      巻: in press ページ: in press

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Morphological changes in Ipomoea nil using chimeric repressors of Arabidopsis TCP3 and TCP52012

    • 著者名/発表者名
      Ono M, Hiyama S, Higuchi Y, Kamada H, Nitasaka E, Koyama T, Mitsuda N, Ohme-Takagi M, Sage-Ono K
    • 雑誌名

      Plant Biotechnology

      巻: 29 ページ: 457-463

    • DOI

      DOI:10.5511/plantbiotechnology.12.1010a

    • 査読あり
  • [学会発表] ERF転写抑制因子の老化における役割とプロテアソームによる調節2013

    • 著者名/発表者名
      小山知嗣
    • 学会等名
      日本植物生理学会
    • 発表場所
      岡山市
    • 年月日
      20130321-20130323
  • [学会発表] ERFリプレッサーの安定性を介した細胞死の制御2012

    • 著者名/発表者名
      小山知嗣
    • 学会等名
      日本植物細胞分子生物学会
    • 発表場所
      奈良県生駒市
    • 年月日
      20120803-20120805
  • [学会発表] 植物特異的な転写因子の機能解析と葉の発生分化における遺伝子発現制御に関する研究2012

    • 著者名/発表者名
      小山知嗣
    • 学会等名
      日本植物細胞分子生物学会奨励賞受賞講演
    • 発表場所
      奈良県生駒市
    • 年月日
      20120803-20120805
    • 招待講演
  • [学会発表] INVOLVEMENT OF AP2/ERF TRANSCRIPTIONAL REPRESSORS IN CELL DEATH RESPONSES IN ARABIDOPSIS2012

    • 著者名/発表者名
      小山知嗣
    • 学会等名
      International Conference on Arabidopsis Research
    • 発表場所
      オーストリア国ウィーン市
    • 年月日
      20120703-20120707

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公開日: 2014-07-24  

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