| 研究概要 |
1)抵抗性タンパク質によるOsRac1活性化プロセスの解明
抵抗性タンパク質は、病原体の侵入を感知する細胞内レセプターとして働き、植物の自然免疫において極めて重要な分子である。しかしながら、抵抗性タンパク質がどのようなシグナル分子を介して植物の免疫を誘導するかは不明であった。我々は、イネのいもち病菌のRタンパク質PitがOsRac１に直接結合し、OsRac１を活性化することを見出した。また、Pitは、OsRac1を活性化することにより活性酸素や過敏感細胞死を制御して、いもち病に対する抵抗性を誘導することを明らかにした。
2)免疫複合体Defensome networkモデルの構築
プロテオーム解析により、OsRac1複合体Defensome networkを構成する因子として、RAR1, Hsp90、RACK1、Hop/Sti1等を同定し、それらのタンパク質が耐病性において重要な役割を果たすことも見出した。さらなる解析から、OsRac1は、PAMPsレセプターと抵抗性タンパク質で異なる、免疫複合体を形成していた。本研究のスタート時点では、不明瞭であったOsRac1を含むタンパク質複合体Defensome networkの分子実体を明らかにすることが出来た。
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