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2013 年度 実績報告書

もう一つのC4高発現輸送体PyT2の機能解析

研究課題

研究課題/領域番号 23770047
研究機関龍谷大学

研究代表者

古本 強  龍谷大学, 文学部, 教授 (30313208)

キーワードC4光合成 / 物質輸送 / 葉緑体
研究概要

C4植物はC3植物に比べて約2倍高い光合成活性を発揮する。この高い光合成を支える分子メカニズムは、葉肉細胞と維管束鞘細胞という高度に分化した細胞間での代謝産物のやりとりによる二酸化炭素濃縮の達成によるところが大きい。それぞれの細胞内では、葉緑体と細胞質間の間に、物質輸送を支える特殊なタンパク質の存在が指摘されているが、その実体については知見は少ない。この知見の少なさは、例えばこの濃縮回路をもたないイネに対して、遺伝子導入によりC4疑似回路を導入する際の知的基盤としての律速となり、C4光合成研究のボトルネックとなっている。
C4光合成の網羅的な理解を進めるために、同属内でC3種からC4種までを含むフラベリアを用いた遺伝子発現解析を考案した。遺伝子発現解析から、C4植物に高発現する遺伝子を単離解析し、この中に新規輸送体遺伝子(BASS2,BASS4)を見出した。BASS2は、葉緑体に局在し、ピルビン酸輸送を担う分子実体であった(Furumoto T., et al., 2011 Nature)。本研究では、もう一つの遺伝子BASS4についての機能解析を行った。結果は主に、(1)発現比較解析と(2)機能抑制株の表現型、の二つに集約できる。
C4植物は、その回路内の主たる脱炭酸酵素によって、NADP-ME型、NAD-ME型、PCK型の3種類に分類される。BASS4遺伝子産物は、NADP-ME型のフラベリアには多いが、NAD-ME型には少なかった。この結果は、BASS4の機能がNADP-ME型に強く依存することを示唆する。
また機能抑制植物の作出に成功し、その生理的特徴を検討している。現在、その生育に高い二酸化炭素濃度を必要とすることを見出しており、期待通り二酸化炭素濃縮に異常を呈していることが示唆されている。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2013 その他

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (1件) (うち招待講演 1件)

  • [雑誌論文] Cold Signaling and Cold Response in Plants2013

    • 著者名/発表者名
      Miura K and Furumoto T.
    • 雑誌名

      Int. J. Mol. Sci.

      巻: 14 ページ: 5312-5337

    • DOI

      10.1038/nature10250

    • 査読あり
  • [学会発表] A novel C4-metabolism-regulator, CP12-3, functioning for the adapting to light fluctuation

    • 著者名/発表者名
      古本 強
    • 学会等名
      日本植物生理学会
    • 発表場所
      富山大学
    • 招待講演

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公開日: 2015-05-28  

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